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千夜一夜艶話〜真珠浪漫物語 番外編〜
第1章 昼下がりの情事(綾香・梨央編)
その光景を見た梨央の美しい柳眉が逆立つ。
…もう、我慢出来ない!
「…梨央さん、よろしければ今度の週末に私の愛馬で遠乗りしませんか…て…梨、梨央さん⁉︎ど、どちらに行かれるのですか〜⁈」
叫ぶジュリアンを尻目に、梨央は強張った顔のまま、青々と美しく整えられた芝を横切り、綾香と女学生の前に進んだ。
綾香は目の前に現れた梨央に気づき、優しい微笑みを浮かべる。
「あら、梨央…どうしたの?」
…あらじゃないわ!お姉様の鈍感!
梨央は口元にかろうじて形ばかりの笑みを浮かべた。
「お話中、失礼いたします。…お姉様、月城が火急の用があるそうですの。…私とご一緒にいらしていただけますか?」
綾香は不思議そうな目をした。
「まあ、何かしら…」
梨央は有無を言わせず、綾香の綺麗な手を握りしめた。
「…とても急ぐご用だそうですの。…皆様、申し訳ありませんが、少し失礼いたしますわね」
挨拶もそこそこに、梨央は綾香の手を引っ張るように足早に歩き出す。
「…梨央?…何を怒っているの?」
綾香が穏やかな声で聞く。
「怒ってなどいませんわ!」
「ほら、声が怒ってる」
「怒っていませんてば!」
くるりと振り返り、むきになって綾香に言い返す。
綾香は可笑しさを堪えるように口をつぐむ。
梨央はそのままバルコニーから屋敷の中に入る。
強く握られた手はそのままだ。
綾香に逃げられないように…というより、離したくなくてぎゅっと握りしめている手…。
綾香は甘えるように訴える。
「…梨央…手が痛いわ…」
梨央ははっとして、反射的に手の力を緩める。
しかしすぐに…
「…だめ。お手は離さないわ…」
と硬い声で宣言すると、更に強い力で綾香の手を握りしめ、客間を通り抜け廊下を進む。
壁にフェルメールの名画が掛けられている廊下を進み、最奥の部屋…図書室の前まで来ると、黙って扉を開け、綾香を中に引きずり込んだ。
「梨央?どうした…の…」
みなまで言わさずに、そのルビーのように紅く艶やかな唇に唇を重ねる。
「…んっ…あ…ああ…ん…」
綾香が咄嗟に梨央を押し返そうとしたのを、しがみつくように抱きすくめる。
「…お姉様…!梨央が嫌なの…?」
「…ちが…誰か来たら…」
「誰が来ても構わない…!お姉様は私のものだと見せつけるだけだわ…!」
梨央はそのまま綾香を壁際に押し付け、綾香の顎を掴み更に深く唇を奪う。
…もう、我慢出来ない!
「…梨央さん、よろしければ今度の週末に私の愛馬で遠乗りしませんか…て…梨、梨央さん⁉︎ど、どちらに行かれるのですか〜⁈」
叫ぶジュリアンを尻目に、梨央は強張った顔のまま、青々と美しく整えられた芝を横切り、綾香と女学生の前に進んだ。
綾香は目の前に現れた梨央に気づき、優しい微笑みを浮かべる。
「あら、梨央…どうしたの?」
…あらじゃないわ!お姉様の鈍感!
梨央は口元にかろうじて形ばかりの笑みを浮かべた。
「お話中、失礼いたします。…お姉様、月城が火急の用があるそうですの。…私とご一緒にいらしていただけますか?」
綾香は不思議そうな目をした。
「まあ、何かしら…」
梨央は有無を言わせず、綾香の綺麗な手を握りしめた。
「…とても急ぐご用だそうですの。…皆様、申し訳ありませんが、少し失礼いたしますわね」
挨拶もそこそこに、梨央は綾香の手を引っ張るように足早に歩き出す。
「…梨央?…何を怒っているの?」
綾香が穏やかな声で聞く。
「怒ってなどいませんわ!」
「ほら、声が怒ってる」
「怒っていませんてば!」
くるりと振り返り、むきになって綾香に言い返す。
綾香は可笑しさを堪えるように口をつぐむ。
梨央はそのままバルコニーから屋敷の中に入る。
強く握られた手はそのままだ。
綾香に逃げられないように…というより、離したくなくてぎゅっと握りしめている手…。
綾香は甘えるように訴える。
「…梨央…手が痛いわ…」
梨央ははっとして、反射的に手の力を緩める。
しかしすぐに…
「…だめ。お手は離さないわ…」
と硬い声で宣言すると、更に強い力で綾香の手を握りしめ、客間を通り抜け廊下を進む。
壁にフェルメールの名画が掛けられている廊下を進み、最奥の部屋…図書室の前まで来ると、黙って扉を開け、綾香を中に引きずり込んだ。
「梨央?どうした…の…」
みなまで言わさずに、そのルビーのように紅く艶やかな唇に唇を重ねる。
「…んっ…あ…ああ…ん…」
綾香が咄嗟に梨央を押し返そうとしたのを、しがみつくように抱きすくめる。
「…お姉様…!梨央が嫌なの…?」
「…ちが…誰か来たら…」
「誰が来ても構わない…!お姉様は私のものだと見せつけるだけだわ…!」
梨央はそのまま綾香を壁際に押し付け、綾香の顎を掴み更に深く唇を奪う。