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帝都被虐奇譚 美少女探偵助手の危険な冒険、ふしだらな願望
第1章 少女探偵助手は囮役
 稀代の大怪盗が突きつけた犯行予告は衝撃的なものでした。なんと帝都貴族の中でも、準皇族扱いの近衛之宮忠輝の末娘、寧子嬢を誘拐すると予告してきたのです。帝都民にとって皇族は何よりも大切な国の要であり、また神の国を自認するこの国の祭祀王であります。その血縁者を奇人五十面相が狙っていることだけでも不敬極まりないことですが、それが現実に誘拐などされようものならば、帝都の誇りは失われ、帝都警察への信頼も損なわれかねません。なにより寧子嬢は、その美貌から国民的人気も高く、暴漢同然の残酷な鉄仮面にさらわれてしまえば、何をされるか分かったものではありません。
「予告日時は三日後、8月9日です。帝都離宮で催されるローマ法王の帝都訪問歓迎レセプションには全ての皇族、そして帝都貴族方がご出席になります。しかし、寧子さまを五十面相の仕掛けた罠にみすみす晒してしまうのはいかがなものかと…」
 警備を仰せつかった池上警部の責任は重く、苦悩の様子がうかがえます。
「フム、五十面相の事だ。犯行予告をしてきたということは、何があろうと寧子様を狙うでしょうな。しかし、外国の要人の前で常に寧子様だけに目を光らせるわけにもいかぬし、難しい問題ですね」
 さすがの篠宮探偵も、パイプを咥えつつ思案しています。

「ならこうなさったらいかがかしら」
 その場を、和ませるような天真爛漫な声を発したのは紀子です。
「畏れ多いことですけども、わたくしが、寧子さまに成り代わって歓迎レセプションに出席する…。それでいかが?」
「な、何ですって、紀子さん。いくらなんでもそれは危険すぎますよ」
 池上警部は止めにかかります。以前から紀子のお転婆な性格を少々厄介モノにしている様子の警部です。
「御心配には及ばなくてよ。わたくし、度胸も満点のつもりですわ。衣裳を着て座っていれば、きっと五十面相も気がつかなくってよ。その方が警部さんも、先生もお仕事がしやすくなくって? それにいざとなったら、わたくし、あの大怪盗と格闘して捕まえてみせますわ、これって囮捜査っていうのかしら? うふふふ」
 この好奇心旺盛なお嬢さんはどこまでも天真爛漫、怖いもの知らずなのです。
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