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17歳の寄り道
第8章 【碧編】誓い
「碧が家脱け出したの、バレてねぇのかな」
「バレてないんじゃない?電話も来ないし。…どうせ、お母さんは、お義父さんとラブラブだろうし…」
「へえ、いいじゃん。両親仲いいのか」
「んー…」


うちの家族については、村上先生には話したが、遥には話していなかった。義父について日々感じていることを、悩み相談にならないように明るく話した。心配をかけたくなかったのだ。

遥は、じっと聞きいるように耳を傾けてくれた。

「そっか。碧もいろいろあるんだな」
「あはは。……気ー使うよね…。みんなの幸せを考えたらさぁ…。何も言えないよ、不満なんて。お母さんの幸せそうな顔見てたら、嫌だなんて、言えないよ」

おどけて話す私に、遥は無言で、ひたすら頭を撫でる。
それは、少し痛いぐらいで。

「痛いよ、遥…」と笑った。


「俺も、普段はつまんねーことで反抗してんのに、ここぞの時には言えなかったな。母親には言えなかったよ。ここ残りたいなんて。それに、父親も女いるしさ…。邪魔かなって思うじゃん」

私と遥の心がシンクロするようで、痛い。
ぎゅっと遥を抱きしめたら、遥も手を止めて私を抱きしめる。

嫌だ、悲しい、ってわめけたら楽なのに、自分の心を押し殺して我慢してしまう。
遥も、私も。


「私、遥の実家の近くに進学する。2年後家出る」
「許してくれるのかよ、親が」
「がんばる。進学じゃなくても、どうにか自立する方法探す。遥には迷惑かけないから…」
「いいじゃん、迷惑かけてよ。浮気以外ならな」

ぐにーっと鼻をつままれ、痛くて飛び上がった。
「いい気味だ」と笑う遥は本当に楽しそうで、私も鼻を押さえながら笑った。

目標ができた。

卒業したら、親から自立して、遥のそばにいること。
先の事はどうなるかわからないが、こんなに強い意志を抱くのは初めてで、大嫌いだった自分のことを、少しだけ誇らしく思えた。


また、遥の後ろにつかまって自転車に乗り、家まで帰った。

今日は新月。月明かりはない代わりに星空が広がっている。
どうか、遥と未来も一緒にいられますようにと何度も願った。

家の前につき、遥が自転車を止めてくれている後ろ姿を見ていると、胸が熱くなって抱きしめた。

「そんな寂しい?」

にやにやしてる遥。さみしいよと素直に答えたら、正面から強く抱きしめてくれた。
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