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17歳の寄り道
第1章 【碧編】17歳、白川碧
「え、何?おっさん何してんの?」
男子生徒の声がして、私に覆い被さろうとしていた男は脱兎のごとく逃げ出した。
助かった…?
「…大丈夫か?」
「…………」
その男の子は私に声を掛けるが、私は恐怖から解放されたせいか、体中が震え出し、あろうことかその子の前で失禁をしてしまった。
シャアアと音をさせながら、全て出るまで止まらなかった。
スカートもショーツも全て濡らしてしまい、ぼう然と座り込む。
「…おい。大丈夫かよ?白川だろ?」
近づいてきたその人は、浅野君だった。
う、嘘…
こんなおもらしした姿、浅野君なんかに見られるなんて。
「見ないで、あっちいって」
近づく浅野君に泣きながら叫ぶと、「しーっ!」と手で口を塞がれる。
「このままじゃ逆にやばいだろ、さっきのあれ、俺が来なきゃあのおっさんに襲われてたぞ。家まで送ってやるよ。この自転車白川のだろ」
「ううっ、動けない、おもらししちゃったもん…」
子供のように泣く私に、浅野君が頭を掻く。
そして私に手を伸ばし、引っ張って立ち上がらせた。
「どーすっかなぁ…俺んちここから歩いて10分だけど、親いないから、服貸すし着替えて行けば」
「……………」
「それか、おもらしスカートのまま帰るか」
「それはヤダ…」
「じゃ、決定だな」
スカートの中はぐしょぐしょに濡れているので、内股になりながら自転車を押し、浅野君の後を歩く。
浅野君の自転車は、いつも隣に置いてあった黒い自転車だった。
彼はそれに跨り、ゆっくりと蛇行しながら、私の速度に合わせて進む。
本当に、助かった。
あのまま、浅野君が来なければ、私はボロボロに傷つけられていたかもしれない。
思い出すとまた震えてしまい、足がすくんだ。
ゆらゆらと自転車を漕ぐ浅野君は、進まない私に気付いて戻ってくる。
道は街灯の明かりしかなく、空はますます暗さを増して、深い夜空へと変わっていこうとしていた。
「どしたの」
「………怖くて足が震えるの」
「もうちょっとで着くから、あと少しだよ」
浅野君の声はひとつも急がせる要素がなくのんびりしたもので、竦んだ足をえいっと前に出せた。
学校では嫌なこと言ってきたくせに、やんちゃそうなのに…
そういう態度なんだ。
彼から、ドキドキが伝わってきて、なぜか私も胸のドキドキが止まらない。
男子生徒の声がして、私に覆い被さろうとしていた男は脱兎のごとく逃げ出した。
助かった…?
「…大丈夫か?」
「…………」
その男の子は私に声を掛けるが、私は恐怖から解放されたせいか、体中が震え出し、あろうことかその子の前で失禁をしてしまった。
シャアアと音をさせながら、全て出るまで止まらなかった。
スカートもショーツも全て濡らしてしまい、ぼう然と座り込む。
「…おい。大丈夫かよ?白川だろ?」
近づいてきたその人は、浅野君だった。
う、嘘…
こんなおもらしした姿、浅野君なんかに見られるなんて。
「見ないで、あっちいって」
近づく浅野君に泣きながら叫ぶと、「しーっ!」と手で口を塞がれる。
「このままじゃ逆にやばいだろ、さっきのあれ、俺が来なきゃあのおっさんに襲われてたぞ。家まで送ってやるよ。この自転車白川のだろ」
「ううっ、動けない、おもらししちゃったもん…」
子供のように泣く私に、浅野君が頭を掻く。
そして私に手を伸ばし、引っ張って立ち上がらせた。
「どーすっかなぁ…俺んちここから歩いて10分だけど、親いないから、服貸すし着替えて行けば」
「……………」
「それか、おもらしスカートのまま帰るか」
「それはヤダ…」
「じゃ、決定だな」
スカートの中はぐしょぐしょに濡れているので、内股になりながら自転車を押し、浅野君の後を歩く。
浅野君の自転車は、いつも隣に置いてあった黒い自転車だった。
彼はそれに跨り、ゆっくりと蛇行しながら、私の速度に合わせて進む。
本当に、助かった。
あのまま、浅野君が来なければ、私はボロボロに傷つけられていたかもしれない。
思い出すとまた震えてしまい、足がすくんだ。
ゆらゆらと自転車を漕ぐ浅野君は、進まない私に気付いて戻ってくる。
道は街灯の明かりしかなく、空はますます暗さを増して、深い夜空へと変わっていこうとしていた。
「どしたの」
「………怖くて足が震えるの」
「もうちょっとで着くから、あと少しだよ」
浅野君の声はひとつも急がせる要素がなくのんびりしたもので、竦んだ足をえいっと前に出せた。
学校では嫌なこと言ってきたくせに、やんちゃそうなのに…
そういう態度なんだ。
彼から、ドキドキが伝わってきて、なぜか私も胸のドキドキが止まらない。