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17歳の寄り道
第9章 【村上編】化学教師、村上浩輔
結局、ふたりとも入部することになった。
楽しく過ごしてくれれば、それでいいと思っていた。

ある日の空き時間、職員室から化学準備室に向かおうとしていた時だ。2-Aの教室に人影が見えた。

今は体育の時間のはずだが…
また浅野、サボってんじゃねぇだろうな。

ドアを開けようとしたが、妙な声が聞こえる。中にいるのは一人じゃない。

……誰だ、体育サボってるのは。また藤田先生にネチネチ言われるのは俺だというのに。

鍵が壊れている後ろの窓を開ける。


「………」

目に飛び込んで来たのは、浅野の上に跨って、体操着の中から白い乳房を放り出して柔らかく弾ませながら、片方の先端を吸われて喘いでいる白川の姿だった。

「あんっ、あんっ」

浅野のぎこちないピストンに身を任せ、顔をすっかり上気させている。

おまえら、もうヤッてんのかよ!盛りついた動物か!
楽しく過ごせばいいと思っていたが、浅野に場所考えろと忠告するか。
あと、避妊してんのかあいつら。

共学化のせいで、今まで考えなくてもよかった問題も出てくる。
それまでは野郎しかいなかったし……。

そのまま入室してやめさせてもよかったが、俺にいろいろ見られても、白川が困るだろう。俺はそっと窓を閉めて、見なかったことにした。



――しかし、その日の放課後。


「村上先生、白川さんが倒れてる!」

東野が、職員室まで息を切らせて掛け込んできた。
行ってみると、近くの公園に白川がうずくまっていて、養護教諭の土井先生と東野と3人で保健室まで一緒に運んだ。

「大丈夫かな、白川…」

顔面蒼白で心配する東野に、大丈夫だよと伝えて部活に出させた。

それにしても――…
意識はあるようだが、寝不足なのだろうか。
すやすや寝息を立てて寝ている。

土井先生が具合を見て、「白川さん、今は寝てるだけですね。貧血かな」と笑顔になった。そして、申し訳なさそうに続ける。

「すみません村上先生、私今日は研修があって…」

「そうですか、じゃあ少ししたら起こして、彼女を送ります。保護者の方にも話したいことがあったので」

「ありがとうございます。助かります」

軽く会釈をして、土井先生が帰って行く。
ベッドの脇にある椅子に荒く腰掛け、無防備に眠り続ける白川を見た。
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