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17歳の寄り道
第13章 【碧編】春の観測会
千晴は助かったけれど、美咲ちゃんは実際どんな被害を受けたのか…事実は彼女と奴らしか分からない。
その後すぐ、美咲ちゃんは先生方に呼び出され、事情を聞かれていたようだが、「何もされていません」と答えているのが見えた。
「観測会は終盤だけど…屋上行きますか?せっかくだし。帰りは二人とも車で送るよ」
村上先生の提案。美咲ちゃんの方を見ると小さく頷いていたので、私も屋上から星を見て帰ることにした。
屋上に着くと、何も知らない高田部長が美咲ちゃんに話しかけ、セットした天体望遠鏡を見るように言っていた。
まだ、さっきの胸騒ぎと焦燥が残っている。
美咲ちゃんは私よりもっとだろうと思うのに、私から見える美咲ちゃんは気丈でいつもと変わらなかった。
フェンスを握りながら空を見上げていたら、村上先生が隣に来た。
「藤田先生たち、あいつらの処分を検討するらしいよ。とりあえず喫煙の証拠はあるからね。小谷は何もなかったようだけど…」
「…………」
何もなかったのかな。私たちには推測することしかできないが。
「白川は大丈夫か?」
「はい…何もなかったので」
「そうか。浅野、今日はお母さんの地元にいるよ。連絡取ってる?」
首を振ったら、お前らは…と苦笑していた。
「星空送ってやったら。あっちはここほど星が見えないだろうし。撮ってもよく見えないかな」
空を仰ぎながらスマホを向け、シャッターボタンを押し、村上先生に画面を見せた。
「はっきり映らないけど、拡大したらぼんやり映ってる」
“観測会だよ”と添えて遥に送信すると、すぐに電話があった。
「わあ、かかって来た」と先生に笑いかけ、電話を取った。
『キレイじゃん、星』
元気そうな遥の声。
鼻の奥がツンとして視界がジワリとぼやけた。
「…きれいでしょ。……元気なの?」
涙声になりそうだったが、堪えながら話をする。
視界に入っていた村上先生の口元が微笑む。
私の頭を軽く撫でて、他の生徒の所へ行った。
『元気だけど……もう会いたいな。碧がここにいたらいいのに』
遥の声が魔法のように不安と焦燥を鎮めていく。そして胸の奥に暖かな灯がともる。
「私も…」
ここに遥がいたらいいなって思うよ。
その後すぐ、美咲ちゃんは先生方に呼び出され、事情を聞かれていたようだが、「何もされていません」と答えているのが見えた。
「観測会は終盤だけど…屋上行きますか?せっかくだし。帰りは二人とも車で送るよ」
村上先生の提案。美咲ちゃんの方を見ると小さく頷いていたので、私も屋上から星を見て帰ることにした。
屋上に着くと、何も知らない高田部長が美咲ちゃんに話しかけ、セットした天体望遠鏡を見るように言っていた。
まだ、さっきの胸騒ぎと焦燥が残っている。
美咲ちゃんは私よりもっとだろうと思うのに、私から見える美咲ちゃんは気丈でいつもと変わらなかった。
フェンスを握りながら空を見上げていたら、村上先生が隣に来た。
「藤田先生たち、あいつらの処分を検討するらしいよ。とりあえず喫煙の証拠はあるからね。小谷は何もなかったようだけど…」
「…………」
何もなかったのかな。私たちには推測することしかできないが。
「白川は大丈夫か?」
「はい…何もなかったので」
「そうか。浅野、今日はお母さんの地元にいるよ。連絡取ってる?」
首を振ったら、お前らは…と苦笑していた。
「星空送ってやったら。あっちはここほど星が見えないだろうし。撮ってもよく見えないかな」
空を仰ぎながらスマホを向け、シャッターボタンを押し、村上先生に画面を見せた。
「はっきり映らないけど、拡大したらぼんやり映ってる」
“観測会だよ”と添えて遥に送信すると、すぐに電話があった。
「わあ、かかって来た」と先生に笑いかけ、電話を取った。
『キレイじゃん、星』
元気そうな遥の声。
鼻の奥がツンとして視界がジワリとぼやけた。
「…きれいでしょ。……元気なの?」
涙声になりそうだったが、堪えながら話をする。
視界に入っていた村上先生の口元が微笑む。
私の頭を軽く撫でて、他の生徒の所へ行った。
『元気だけど……もう会いたいな。碧がここにいたらいいのに』
遥の声が魔法のように不安と焦燥を鎮めていく。そして胸の奥に暖かな灯がともる。
「私も…」
ここに遥がいたらいいなって思うよ。