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17歳の寄り道
第14章 【碧編】自立の階段
その日の帰り。
私は、美咲ちゃんのバス停まで、彼女を送りがてら行ってみた。
ここからなら、乗り換えがあるが家の近所までバスが出ている。

「碧先輩、ありがとうございます!」
「気をつけてねー!また明日!」

手を振る美咲ちゃんを見送ったあと、踏切を渡って駅の裏に行ってみた。

確か、コンビニがあったはずで…。
バイト募集していないかな、と目当ての場所に行ってみると、自動ドアの脇にパート貼り紙が出ていた。

やったあ!!
高校生可だし、勤務時間応相談。交通費は出るかなぁ…。

「すいません、まだアルバイト募集してますか?」

お客さんもいなかったので、中に入ってお店の人に尋ねると、まだ募集は続いているそうだった。
応対してくれたのは、優しそうな大学生ぐらいのお兄さん。

「ごめんね、俺店長じゃないんだけどね。また履歴書持ってきてくれる?」
「はいっ」
「念のため名前聞いていい?」
「白川碧です」

ペンとメモを取り出して私の名を記すお兄さん。ネームプレートが、ちょうど見えない角度になっている。

「シラカワアオイさんだね。その制服、翠学園高校だよね」
「はい」
「……じゃあ、 店長に行っておくよ。今度は履歴書ね!」
「ありがとうございます!」

面接すらまだだし、店長でもないのだが、そのお兄さんの笑顔に、採用されるんじゃない!?と胸が高鳴った。

深く深く礼をしてコンビニを出た。
お金さえあれば会いに行ける。遥の元へ。


…そうだ、遥にLINE。夜電話できるか聞こうかな…

コンビニ前でスマホに夢中になっていると、バイクの音が近づいて来て止まった。ドッドッドッと排気音が響く。

音と視線に気づき、顔を上げたら、その男はメットを上げて私を見た。

「……何してんのお前。バス通か?」
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