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17歳の寄り道
第16章 【千晴編】最初で最後の日
本当に軽くだけ唇が触れるが、すぐに外されてしまった。
この逞しい手で、奥さんに同じことしてるのかな。
もっと、いやらしい事を、数え切れないほどしてきたのかな。
「先生は…奥さんにもこういう事してますか?」
「それを答えて、お前に何か良い事があるのか」
……ない。
それでも知りたいのが乙女心なんですけど…
そんな複雑な気持ち……先生はわかってくれないよね。
私だって、奥さんや彼女がいても好きだなんて気持ち、先生を好きになるまでわかんなかったよ。
そんな不毛な恋愛する奴はバカだ、自分の事しか考えてないじゃんって、鼻で笑ってた……のに。
今日のこのお泊りを、無理矢理頼みこんだとは言っても、受け入れて付き合ってくれているのは事実だから、先生はたぶん、私の事嫌いではないと思う。
ホテルの予約だって先生がしてくれた。
―――なのに、泣きたくなるような返答をされちゃうと悲しくなる。
先生から離れて、ツインベッドのうちの一つに腰を下ろした。
「……どうしたんだ」
藤田先生は仕方なさそうに私の隣に腰掛ける。
こんな風に、拗ねて口を聞かないような真似、したことなかった。
恋愛で、泣いたことなんてなかった。
誰かを思って、苦しいなんて気持ち、知らなかった。
私にとって、彼氏なんて、一緒にバカ言えて、ちょっとイチャイチャしてエッチして、それが男女の付き合いなんだと思ってた。
好きだと言うだけで涙が出るような気持ち、知らなかったよ…
「先生、好きです……」
「何度も言うな。俺も分かってるつもりだから」
藤田先生の表情は固くて、何を考えているのか読み取れない。
分かってる?―――何を?
好きになりたくてなったわけじゃないともがいてる、私の葛藤を?
実は奥さんに敵意むき出しで、嫉妬に狂っている事を?
「須賀は男の趣味が悪いな」
先生が私の頬を撫で、唇を親指で柔らかさを愉しむようにふにふにと触れる。
唇に触られているだけなのに体の奥が切ない。
目を閉じて、顔を上げてキスを待つ。
一瞬の間を置いて、唇が重なった。
この逞しい手で、奥さんに同じことしてるのかな。
もっと、いやらしい事を、数え切れないほどしてきたのかな。
「先生は…奥さんにもこういう事してますか?」
「それを答えて、お前に何か良い事があるのか」
……ない。
それでも知りたいのが乙女心なんですけど…
そんな複雑な気持ち……先生はわかってくれないよね。
私だって、奥さんや彼女がいても好きだなんて気持ち、先生を好きになるまでわかんなかったよ。
そんな不毛な恋愛する奴はバカだ、自分の事しか考えてないじゃんって、鼻で笑ってた……のに。
今日のこのお泊りを、無理矢理頼みこんだとは言っても、受け入れて付き合ってくれているのは事実だから、先生はたぶん、私の事嫌いではないと思う。
ホテルの予約だって先生がしてくれた。
―――なのに、泣きたくなるような返答をされちゃうと悲しくなる。
先生から離れて、ツインベッドのうちの一つに腰を下ろした。
「……どうしたんだ」
藤田先生は仕方なさそうに私の隣に腰掛ける。
こんな風に、拗ねて口を聞かないような真似、したことなかった。
恋愛で、泣いたことなんてなかった。
誰かを思って、苦しいなんて気持ち、知らなかった。
私にとって、彼氏なんて、一緒にバカ言えて、ちょっとイチャイチャしてエッチして、それが男女の付き合いなんだと思ってた。
好きだと言うだけで涙が出るような気持ち、知らなかったよ…
「先生、好きです……」
「何度も言うな。俺も分かってるつもりだから」
藤田先生の表情は固くて、何を考えているのか読み取れない。
分かってる?―――何を?
好きになりたくてなったわけじゃないともがいてる、私の葛藤を?
実は奥さんに敵意むき出しで、嫉妬に狂っている事を?
「須賀は男の趣味が悪いな」
先生が私の頬を撫で、唇を親指で柔らかさを愉しむようにふにふにと触れる。
唇に触られているだけなのに体の奥が切ない。
目を閉じて、顔を上げてキスを待つ。
一瞬の間を置いて、唇が重なった。