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17歳の寄り道
第2章 【碧編】恋
自転車。昨日の場所には置きたくない…
そう思った私の心を見抜いていたかのように、浅野君が口を開いた。

「帰りも送ってやろっか?」

つい、うんと言いそうになったが、口を噤む。
こんなに親切にしてもらっていいのかな?
昨日から、甘え過ぎている…

「悪いから、いいよ…」

「昨日の今日でここ来んの怖くねぇの?」

「…でも私、浅野君に甘え過ぎてるし…」

「……ま、無理強いしねーし。俺は歩いて帰れるから、ここまでついてきてやってもいいよ」

「…悪いし…」

歯切れの悪い私を一瞥し、浅野君は自転車をとめながら言う。

「素直に甘えりゃいいのに。それか、俺に貸し作んのが嫌なら、言う事一個聞いてよ」
にこにこと笑顔で、提案を出してきた。

「どんなこと?私にできることなら」

「胸揉ませて」
とニヤーっと笑っている。

エロい発言だが、言いそうな事ではあったので、驚かない。
私が真面目に「………胸か…やだなぁ」と言ったら、「どこなら触らせてくれんの」とさらに突っ込んできた。


浅野君に触られてもいい場所か。
手をつなぐとか、ハグするとか。そういうことならできそうと考える。

「ぎゅってするのは?」と言うと、「何だよ、乗り気じゃん」と逆にうろたえているように見えた。

なんだ、胸触りたいのは冗談?真面目に代替案考えたのに。
唇を尖らせていると、浅野君は私の前に立ち、両手で私を抱きしめた。
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