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17歳の寄り道
第2章 【碧編】恋
ぎゅうっと抱きしめられたら、表現できない感情が湧きあがる。
ずっとこうされててもいいくらいで、浅野君の匂いを目一杯吸い込んだ。

いい匂い。


私がじっと身を委ねているから、浅野君はおかしいと思ったらしい。


「ウソ、嫌がんないの」

「嫌じゃないもん」

「白川、もしかしてヤリマン?」

「・・・は?」


れっきとした処女なので、その誤解ははっきり言ってカチンと来た。

ぴったり抱き合っていた体を引きはがして、浅野君を見上げて睨んだ。


「したことないよ、そんなの」


「……ふぅん」

浅野君はそっぽを向いてしまい、それ以上聞いてくる事はなかった。


「浅野君はしたことあるの?」

ストレートに聞いたら、彼はとても困惑した顔をして「あるよ」と言った。



あるんだ。

…あ、そう。



デリカシーがなくて問題ばかりで関わりたくない彼に、昨日は救われた。
もっと近づきたくなっていた。

でも…誰かとエッチしたんだ。
て言うか、今、もしかして彼女いたり?

思いの外優しくしてくれるから、ちょっと図に乗ってたな…


「歩くのおっせ」

いつのまにか先を歩く浅野君が、私に声を掛けてきた。
駆け足で追いついたら、彼はまた前を向いて歩き出す。

頭の中は、浅野君の彼女(か、元カノ)はどんなだろう?でいっぱいで…


門の前まで着いたら、東野君が向こうから登校してきていた。
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