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17歳の寄り道
第18章 【碧編】碧の夏休み
「………あっ」

硬いそれが押し当てられ、一気に奥まで進んで来た。

こんな場所で、周りが見えなくなっているのは自覚してる。
やっと会えた喜びと、また会えなくなる寂しさを、体を重ねながら分かち合い、遥の激しい律動を全身で受け止めた。

「あっ、ああ、はるか…」
「ちょ、声でけぇ」

唇を塞がれ、彼の汗の雫が落ちてくる。
どんどん速まる遥に、声が止まらない。

「くっ………」

遥の苦しげな表情で、終わりが近いことに気づいた瞬間、遥の体が離れた。

「あっ…私の口に出して」
「へっ…?」

遥に体を寄せて、張ち切れる寸前のそれを口に含み、精を受け止めた。


こんなに、たくさん――。


遥のそれに両手を添えて、最後の一滴まで残らず含んでから、唇を離す。

「……好きだよ」

大好きな彼の愛の言葉が降り、二人で微笑み合った。


それからすぐに駅前行きのバスが来た。
バス停には幸い他の乗客はいなくて、私と遥だけがやって来たバスに乗り込み、二人肩を寄せて座席に座る。
ずっと、ずっと一緒にいたいけど、もう時間はない…

「次は、来週だな」
「うん。最近お母さんの出張が多くて、また確認しとく」
「おお。凛太連れで新幹線はキツいだろうしな」

凛太を邪魔にしない遥の発言に、胸が熱くなる。

「碧のバイトしてるとこ見てみてーな。あの制服来てるんだよな」
と遥がニヤニヤしながら言う。

制服フェチなのかな…
全国展開されているコンビニチェーン店なので、大体想像はつく制服姿だ。

「それを言うなら私も、遥が働いてるところ見たいよ」

遥はガソリンスタンドでバイトをしている。
引っ越し先でも週末はバイクに乗っていて、新しい高校ではバイクの話をする友達らしき存在ができたそうだ。

……どんな人だか想像がつかないが、遥に似た様な感じなのかなあ。


「今度来た時、バイク乗せてやる。海でも行くか」

遥が今住む町は港町。
山と川しかないこことは違って、海が近くにある。

「行こう。早くその日にならないかなあ…」

まだ遥がここにいるのに、帰ってしまう寂しさで遥に腕にしがみついて目を閉じる。


「村上、辞めたんだろ」
と言う遥の声に、閉じていた目をうっすら開けた。

「……うん。夏休みはまだ学校にいるらしいけど…2学期からはいないって」
「ふーん…」
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