この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
17歳の寄り道
第20章 【碧編】窮地
次に目を開けた時は、村上先生は私を車に置いて、道端で電話をしていた。
……ここは、家の前……?
いつも先生がプリンをくれる時に停めていた場所。
ガードレールに寄り掛かって話す先生の横顔と長い脚を見つめる。
表情はけして穏やかではなく、車の中からでも話がスムーズではないのは理解した。
でももう、割り込む気力もない…
遥、きっと今心配してる。
連絡したいけれど、スマホも切れているし…
凛太は今どうしているのか――。
程無くして村上先生が振り向き、私が起きていることに気付いたようだった。
スマホを耳に当てながら近づいてきて、ドアを開ける。
「……碧さんが起きた様なので……またすぐに電話します…はい。失礼します」
その話し方で、相手は母である事がわかった。
先生は通話の終わったスマホをポケットに入れながら話す。
「自宅には誰もいないみたいなんだ。いても、出て来ないだけかもしれないけど、玄関の鍵は開いたままだ。もし、凛太君が一人なら、そのままにするのも危険だし、一度中を見ていいか?」
「私も入るの…?おとうさんがいたら、怖い…」
「俺が入るから大丈夫だよ。お母さんには了承もらったから、白川は車の中で待っていればいい。……やはり少し気が動転されてたけど、……ごめん。事実を伝えたよ」
「うん……」
こんな顛末を聞かされた母の気持ちを思うと、辛く苦しいけれど……
私はずっと、我慢してきたのだ。
母の幸せのために。
……ここは、家の前……?
いつも先生がプリンをくれる時に停めていた場所。
ガードレールに寄り掛かって話す先生の横顔と長い脚を見つめる。
表情はけして穏やかではなく、車の中からでも話がスムーズではないのは理解した。
でももう、割り込む気力もない…
遥、きっと今心配してる。
連絡したいけれど、スマホも切れているし…
凛太は今どうしているのか――。
程無くして村上先生が振り向き、私が起きていることに気付いたようだった。
スマホを耳に当てながら近づいてきて、ドアを開ける。
「……碧さんが起きた様なので……またすぐに電話します…はい。失礼します」
その話し方で、相手は母である事がわかった。
先生は通話の終わったスマホをポケットに入れながら話す。
「自宅には誰もいないみたいなんだ。いても、出て来ないだけかもしれないけど、玄関の鍵は開いたままだ。もし、凛太君が一人なら、そのままにするのも危険だし、一度中を見ていいか?」
「私も入るの…?おとうさんがいたら、怖い…」
「俺が入るから大丈夫だよ。お母さんには了承もらったから、白川は車の中で待っていればいい。……やはり少し気が動転されてたけど、……ごめん。事実を伝えたよ」
「うん……」
こんな顛末を聞かされた母の気持ちを思うと、辛く苦しいけれど……
私はずっと、我慢してきたのだ。
母の幸せのために。