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17歳の寄り道
第21章 【碧編】夏の幻
「ドリッパーが漏斗で、サーバーが三角フラスコか」
まさにそんな感じ。
「このキッチンもキッチンぽくなくておしゃれだし、いつもの白衣着てたら完全に実験だよね」
「……このキッチンがおしゃれなのか?」
先生は笑みを残しながら、冷蔵庫のプリンとスプーンを私の前に置いた。
ペリペリと蓋を開け、スプーンを取り出し一口すくって口に入れる。その一連を先生はずっと眺めていて、少し照れた。
「ブラックは飲まないよな。コーヒーミルクないから牛乳ぐらいしかないんだけど」
「ブラックでいいよ~」
私の返事に疑いの眼差しを向けながら、先生は白いカップを差し出した。
「いただきます……」
熱い。…苦い。…けれど、…思ったより…
「おいしいかも」
「かも?」
村上先生は怪訝そうに笑う。
「たぶん、飲むたびにおいしくなりそう」
先生も、私の前に座りコーヒーカップに口をつける。
その仕草は、見惚れるぐらい大人の男だった。
もう、この人に会う事はないのかもしれない。そう思っていたのに……助けてくれた。
心配して、駆け付けてくれて…守ってくれた。
…私にとって先生は、いつまでも特別な人だ。
コーヒーを飲み終えて、プリンを食べ終えた。
先生に「早く寝なさい」と言われ、まだ充電が満タンになっていないスマホを持ち、凛太のいる客間に行く。
足を庇いながら、凛太の隣に寝て。
…寝顔を見ていたら、泣けて来た。
あんな義父でも、凛太のお父さんなのに。
どうなるんだろう、これから。
もし別居にならなければ、私が家を出るしかない。
遥は、いくつかLINEをくれていて、家を出発するようだった。9時半に着くらしいので、あと4時間後には会える。
『ありがとう。無事だよ。今、凛太と先生の家の客間で寝ようとしてる』
と送ると『ゆっくり寝ろよ!』と来た。
まさにそんな感じ。
「このキッチンもキッチンぽくなくておしゃれだし、いつもの白衣着てたら完全に実験だよね」
「……このキッチンがおしゃれなのか?」
先生は笑みを残しながら、冷蔵庫のプリンとスプーンを私の前に置いた。
ペリペリと蓋を開け、スプーンを取り出し一口すくって口に入れる。その一連を先生はずっと眺めていて、少し照れた。
「ブラックは飲まないよな。コーヒーミルクないから牛乳ぐらいしかないんだけど」
「ブラックでいいよ~」
私の返事に疑いの眼差しを向けながら、先生は白いカップを差し出した。
「いただきます……」
熱い。…苦い。…けれど、…思ったより…
「おいしいかも」
「かも?」
村上先生は怪訝そうに笑う。
「たぶん、飲むたびにおいしくなりそう」
先生も、私の前に座りコーヒーカップに口をつける。
その仕草は、見惚れるぐらい大人の男だった。
もう、この人に会う事はないのかもしれない。そう思っていたのに……助けてくれた。
心配して、駆け付けてくれて…守ってくれた。
…私にとって先生は、いつまでも特別な人だ。
コーヒーを飲み終えて、プリンを食べ終えた。
先生に「早く寝なさい」と言われ、まだ充電が満タンになっていないスマホを持ち、凛太のいる客間に行く。
足を庇いながら、凛太の隣に寝て。
…寝顔を見ていたら、泣けて来た。
あんな義父でも、凛太のお父さんなのに。
どうなるんだろう、これから。
もし別居にならなければ、私が家を出るしかない。
遥は、いくつかLINEをくれていて、家を出発するようだった。9時半に着くらしいので、あと4時間後には会える。
『ありがとう。無事だよ。今、凛太と先生の家の客間で寝ようとしてる』
と送ると『ゆっくり寝ろよ!』と来た。