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17歳の寄り道
第22章 【遥編】17歳、浅野遥
明日、碧がやってくる。
一人で新幹線乗れるかな。でも、あいつの事だから、難なくやってくるのだろう。
バイクで海に行って、…どっかラブホあるかな。ずっと自己処理で来たけど、いい加減限界だ。
バス停ではゆっくりできなかったし。
……というわけで、この日も碧のあの姿を妄想してから、眠りに着いた。
―――夜中の3時前。
スマホが鳴っている。
手を伸ばして取ってみると、……こんな時間に、碧?
「もしもし。碧?」
まさか、明日来れない連絡か?やっと落ち着いてヤれる…いや、会えると思ったのに。
その時の俺はまだ悠長だった。
音量を最大にしても声は全く聞こえてこなくて、ガサガサと音が入ったり、車が通るような音がしたり、はあはあと息が聞こえてきたり……明らかに変だった。
「…おい、碧!何かあったのか?」
何度も呼びかけた後、やっと聞こえてきたのは、耳を疑う内容だった。
『おっ、おとうさんに…襲われる……っ』
「えっ!?」
『ね、寝てたら、胸とか、…いろいろ、触られて……わたし……2階から飛び降りて……』
血の気が引き、すぐに怒りで手がわなわなと震える。
あいつの変態オヤジの愚痴は時折聞いていたし、いかがわしい話は知らないわけじゃなかった。
碧も気が動転していたらしく、殆ど会話にならないが、大通りから国道に出た情報だけは得られた。
その国道からは、確か村上の自宅へ繋がる。
……くそ!
あいつには頼りたくねぇのに……!
碧の様子から、そんな意地を張っている場合ではないのは明らかだ。
夜道を一人で歩いていることも危険だし、クソオヤジが追いかけてきて家に連れ戻されたら、ただじゃ済まないだろう。―――村上の方が、まだマシだ!
「ちょっと待ってろ!」
すげー癪だけど、絶対頼りたくねえけど、俺が行けないんだから、誰かに助けを求めるしか方法がない。
……そして、頼れる大人は村上しかいない。
舌打ちしながら村上の携帯を鳴らす。
コール音が数回、もう出ないかと思った時に、出た。
一人で新幹線乗れるかな。でも、あいつの事だから、難なくやってくるのだろう。
バイクで海に行って、…どっかラブホあるかな。ずっと自己処理で来たけど、いい加減限界だ。
バス停ではゆっくりできなかったし。
……というわけで、この日も碧のあの姿を妄想してから、眠りに着いた。
―――夜中の3時前。
スマホが鳴っている。
手を伸ばして取ってみると、……こんな時間に、碧?
「もしもし。碧?」
まさか、明日来れない連絡か?やっと落ち着いてヤれる…いや、会えると思ったのに。
その時の俺はまだ悠長だった。
音量を最大にしても声は全く聞こえてこなくて、ガサガサと音が入ったり、車が通るような音がしたり、はあはあと息が聞こえてきたり……明らかに変だった。
「…おい、碧!何かあったのか?」
何度も呼びかけた後、やっと聞こえてきたのは、耳を疑う内容だった。
『おっ、おとうさんに…襲われる……っ』
「えっ!?」
『ね、寝てたら、胸とか、…いろいろ、触られて……わたし……2階から飛び降りて……』
血の気が引き、すぐに怒りで手がわなわなと震える。
あいつの変態オヤジの愚痴は時折聞いていたし、いかがわしい話は知らないわけじゃなかった。
碧も気が動転していたらしく、殆ど会話にならないが、大通りから国道に出た情報だけは得られた。
その国道からは、確か村上の自宅へ繋がる。
……くそ!
あいつには頼りたくねぇのに……!
碧の様子から、そんな意地を張っている場合ではないのは明らかだ。
夜道を一人で歩いていることも危険だし、クソオヤジが追いかけてきて家に連れ戻されたら、ただじゃ済まないだろう。―――村上の方が、まだマシだ!
「ちょっと待ってろ!」
すげー癪だけど、絶対頼りたくねえけど、俺が行けないんだから、誰かに助けを求めるしか方法がない。
……そして、頼れる大人は村上しかいない。
舌打ちしながら村上の携帯を鳴らす。
コール音が数回、もう出ないかと思った時に、出た。