この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
17歳の寄り道
第22章 【遥編】17歳、浅野遥
――などと思っていたはずなのに、目を覚ましたらもう到着直前で、慌てて荷物を持ってホームに飛び降りた。

後は、電車を30分乗り、そこに村上が車で迎えに来る。
村上と碧にメールをし、しばらく電車に揺られた。


「浅野ー!こっちだよ!」

駅に着き、指定されたロータリーまで歩いてると、聞き慣れた声に呼ばれた。
村上が俺に向かって手を振っている。しかもちょっと嬉しそうに。

「……センセー、なんで笑ってんの。こんな時に」

喜ばれると、つい憮然とした対応をしてしまうが、村上はそれでも笑っている。

「久しぶりだなと思ってさ」
「あー、まあ…………碧は?」
「寝てるんじゃないかな、凛太君と。」

車は国道を走り、村上から、昨日からの経緯を聞かされた。

凛太が朝から具合が悪く、碧も足を捻っていて、出張中の母親は午後早めに戻ってくる事。
母親から父親には連絡済みだという事。

「親父に逆切れされたら怖くね?センセー、誘拐犯扱いされないの?」
「お母さんの承諾は得ているわけだから、大丈夫だろう。……父親は、気の小さな人間だから、これ以上の危害を加えてくることはないと思うって…お母さんはおっしゃってたけどね」
「……ふうん。まあ親父はいいや。それより、碧にまた手ー出してねえだろな」

こんな状況でも、俺の本題はこれだ。
村上は片眉を上げ、フッと笑った。

「大丈夫だよ。お前を裏切らないって約束しただろ。忘れたのか」
「一度失くした信用はそう簡単には取り戻せるかよ」
「そうか。俺は嘘はついてないけどな。じゃあ、また信用してもらえるように頑張るよ。……でもそれだと、白川のことも信じられないの?」
「そういうわけじゃ……」

バツが悪くなり、フンと余所を向く。そんな俺を見て村上は微笑んでいた。


「つーかセンセー、こんな状況でよく笑えるな…」

何か言い返したくて悪態を吐く。村上は微笑んだままハンドルを切り、家に着いた。
広いガレージに車を停めキーを抜き、それぞれのドアから車を降りる。

俺がドアに手を掛けた時、声が聞こえてきた。

「……お前が元気そうなのが嬉しかったんだよ。それだけだ」

村上の言葉は、たまにぐっと来る時がある。
/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ