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17歳の寄り道
第2章 【碧編】恋
放課後、浅野君を探したが、いない。
一体どこ行ってるんだろ?


「白川!帰るの?」

部活に行く途中の東野君に声を掛けられて立ち止まった。

「東野君、浅野君知らない?」

「……知らないけど…図書委員、浅野と一緒にするって決めてたの?」

「ううん、別に…」

「……そ。」


また、東野君は腑に落ちない顔をしていた。


「涼太ー。部活行こうぜー。あっ、碧ちゃん!今日もサッカー部見るの?」

普通科で、サッカー部レギュラーの三浦君が東野君を呼んだ。
ほぼ交流のない他科の生徒だが、、明るい彼は気さくに声をかけてくれるし、名前で呼ばれても嫌な感じがしない。

部活をすると、他科の子とも仲良くなれて楽しそうだ。


「じゃあ、行ってらっしゃい。がんばってね」

と、東野君の腕に少し触れると、東野君の難しい顔が綻び、「うん」と笑ってくれた。


遠のいて行く後ろ姿をしばし見送った後、再び浅野君を探しに校内をめぐる。





はあ、はあ。

走りながら探していたから、息も切れてくる。
浅野君、ぜんっぜんいないんだけどー…!

いつも、こっそりひとりでサッカー部を見ている場所辿りつき、窓を開けて運動場を見下ろした。

若葉の瑞々しい香りが風と共に窓から入り、髪がぱらぱらと乱れる。

浅野君、自転車の鍵…持ったままだし。
歩いて帰るしかないかぁ、と窓の桟に肘をついて、サッカー部のウォーミングアップを見ていた。
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