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17歳の寄り道
第2章 【碧編】恋
うちの高校は、おもに野球、バレーボールに力を入れていて、その二つの部は専用のコートやグラウンドがあり、そこを見学している生徒はたくさんいるし、部員数も多い。

サッカー部は強豪と言えるほどでもなく、他校と比べても特に遜色なかったが、スポーツ科に入った運動神経のいい人たちがレギュラーを独占していて、東野君や三浦君はスポーツ科でもないのにレギュラーであることが珍しかった。


昨日まで見ていた風景と、違う・・・

わくわく、心がはやるような想いを抱きながらサッカー部を見つめていた昨日とは、何かが変わってしまった。


歩いて帰るなら、明るいうちに早く学校出なきゃ。
また襲われたら…誰も守ってくれないかもしれない。
浅野君に借りた服も返せていないし…


帰りも送ってくれようとしていたのに、断らなきゃよかったな。

朝、抱きしめてくれたのは何だったの。
嬉しかったのに…

もっと、してほしいって言ったら、してくれるのかな…


諦めて帰ろうと窓を閉めたら、「帰るのか?」と声がした。
振り向いたら、村上先生があくびをしながら立っていた。


「はい、あ、先生、浅野君知りませんか?」

「浅野?天文部の部室で漫画読んでんじゃない」

「えっ?浅野君、入部したんですか?」

「そうだよ。昨日入部届持ってきたからね」

そうだったのか…
先生が誘ってるだけかと思いこんでいた。
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