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17歳の寄り道
第24章 【遥編】3日間
碧は何か知ってるのか?

……知ってるから聞いてきたんだろうけど、今答える気にはなれない。

それは碧に対する裏切りではなくて、つい昨日傷ついたばかりの碧に話す内容でもないと思ったし、結愛の気持ちを思うと、この話題に乗りたくなかった。


親が離婚してからは、結愛とは連絡を絶っている。
そもそもあいつとはLINEしないし、あいつがふらりと俺んちに来るだけだったから、家が離れたら絶たれる程度の関係だったのだ。


あいつと先輩との関係は、俺なんかがどうこうできるわけもなく、先輩に傷つけられても、すぐに先輩の元へ舞い戻ってしまう結愛を散々そばで見てきた。

俺が慰めても、叱咤しても、何一つ変わらないのに、先輩が何か一言甘い言葉を囁けば、結愛は笑顔になる。



今…二人がどうしてるのかはまるでわからない。



「………知らねぇよ、俺は……」


その質問の奥に碧の不安が潜んでいることには気付かずに、しらばっくれた。
碧は、そんな俺を黒く揺れる瞳で真っ直ぐに見つめていた。




軽く服を着て腕枕をする。
さすがにもう、寝ないと体が持たない。俺はいいけど、碧の体が心配だ。
碧はなんにも言わずに、俺にぴたっと寄り添った。

「寝れそう?」と聞くと、長い睫毛を伏せたまま、こくっと頷いている。
頬にキスをしてしっかりと肩を抱きながら目を閉じ、俺は眠りに落ちた。
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