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17歳の寄り道
第27章 【村上編】冬
白川の義父が事を起こした夏の日。
寿命が縮まるほど心配をした。

電話越しの浅野の悲愴な声に、頭が真っ白になり、白川を助けたい一心で動いて。

母親にも電話で、偉そうに説教じみたことを言った。


そんな状態だったのに、布団の上で、眠れない白川を抱きしめていると、めちゃくちゃにしたい欲望が渦巻いた。

その衝動が、恋愛感情から来るものなのか、ただ単に発情しているだけなのか、自分では判別がつかなかったが…

こんな日にも、怯えてすがる彼女に下腹部を熱くしている自分は、義父以下の人間だと思った。


それに追い打ちをかけたのは、浅野の言葉だった。

「まだあいつの事好きなの?」

あの一言で、ひた隠しにしてきたものを全て暴かれたような羞恥心が沸き上がり、酷く動揺した。


――見守っているだの、幸せを願っているだの、そんな振りをしているだけだろ?

――ホントは、またあいつとヤリたいんだろ?


そう言っているように聞こえた。


きっともう、会ってはいけない。
これで終わりにしないと、すべて露呈してしまう。





………なのに。





「わ、これお母さんからのお歳暮?届いてたんだ~」

白川は無邪気に、テーブルの上に置いていたギフトの品を見て喜んでいる。
車内では話が着地せずに、結局家まで連れてきてしまった。

「いい豆をありがとう。淹れようか?」

自分のコートを掛け終え、まだコートを着たままの白川に尋ねると、
「今飲んだら眠れなくなっちゃうから、今日はやめとく…」と答えた。

寒いところから室内に入り、頬がピンクになっている。白い肌だから尚更目立って、思わず目を細めてしまうほど可愛らしくて。

「可愛いな」

何気なく出た感想だったのだが、それを聞いて耳まで赤らめている白川に、以前よりも強い愛しさを感じた。
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