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17歳の寄り道
第28章 【千晴編】誰にも言えない
いちご狩りの日は、憎々しいほど青天だった。
1月だから寒いけど、意外とビニールハウスの中は暖かい。

藤田さんは車で迎えに来てくれた。
前までは親の車だったけど、バイト代でマイカーを入手した、と語ってくれた。
そして、優しげな表情で、私を飽きさせないように話してくれる。

「助手席に女の子乗せたの、千晴ちゃんが初だよ」
「それはなんか申し訳ないですね……」
「え、何が?」

ホントだ。何が申し訳ないんだろう。

少し酔いそうなくねくね道を通り過ぎて、ファームに到着した。

「いい天気だね~」
「そうですね」
「人いっぱいいるね~」
「そうですね…」

圧倒的に親子連れが多いけど、ちらほらカップルもいる。
水洗い用の紙コップを渡され、いちご畑にいざ出陣となった。

「うわあああ……」

うっとりするほどいちご、いちご、いちご。
ぷちっと切って紙コップで濯ぎ、口に入れた。

「おいしい~。いちご大好きです」

時折蜂を交わしながら、次々と食べ、自然と笑顔も出る。
藤田さんも笑顔が増えたのは、私が笑っているからだろうか。

「おいしいよね。俺もここしか来たことないけど」
「彼女さんと来たんですか?」
「ううん。親とだよ。小さい時にね」
「私も家族とです」

いちごもそんなに大量には食べられない。
ほどほどの時間で切り上げ、他のファームも覗きながら、駐車場まで戻ることにした。
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