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17歳の寄り道
第28章 【千晴編】誰にも言えない
ドライブをしたり、ごはんを食べたり。
デートと言えばデートだけど、そういう雰囲気は出されなかった。
女の子好きなイメージを抱いていたのに、意外と紳士的だなぁと思った。

育ちがいいというか。
ガツガツはしていない。

陽も暮れて、帰りの車の中。
冬空は夜に変わっていた。

「千晴ちゃん、ピアノコンサート行く?吹奏楽だったらちょっとジャンル外かなあ」

信号待ちの時に、藤田さんから出たコンサートの話。

「ピアノも好きですよ!昔習ってたし」
「そうなんだ、俺もだよ。先生は母親だけどね」
「お母さん、ピアノの先生なんですか?」
「学校の音楽の先生してるんだ。今は中学で教えてる」
「へえ、いいですね!じゃあお父さんも先生ですか?」

他意なく尋ねると、藤田さんはちょっと困ったように笑った。

「千晴ちゃんも碧ちゃんも知ってるんじゃないかなあ。学校に……藤田っていない?体育の…」

「え」

「藤田哲」

驚きで声が出ない私に、藤田さんはにこりと微笑みかける。

「あれね、俺の父親。すげー嫌われてるんでしょ。碧ちゃんには秘密にしてね。なんかヤだから」
「……藤田先生?」
「そう。最近はどうしてるのか知らないけどね。俺も家出たから」

じわりと嫌な汗を掻いた。

「奥さん、音楽の先生なんだ……?」

焼け付くように心が熱くひりつく。
『お父さん』をしている先生が浮かんで、胸を一層締め付ける。

「そうだよ。職場結婚」

そっか…。
だから先生…クラシックが好きなんだ。
ちっとも似合わないクラシック、奥さんの影響だったのかな。
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