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17歳の寄り道
第29章 【千晴編】私のこと、好きですか?
こんな狭い場所で先生に組み敷かれて、何者にも阻まれずに二人だけの罪を犯してもいい。
先生が望むなら、この罪はずっと胸にしまって、先生だけのものでいたい。
熱烈なキスを続けながら、先生の手がスカートの中に入った時、はっと思い出した。
やばい。
これは、言っておかなきゃ……!
「せ、先生っ、今日……せ、セーリなんです……けど」
「…………」
先生の動きが止まった。淫らで甘く切ない熱情で満たされていた空気が、少し変わるのを感じた。
「あのっ……」
「…………ははっ。今日もか」
先生は、夏休みのホテルの出来事を思い出したようで、屈託のない笑顔を見せた。
涙でぐちゃぐちゃの頬に張り付いた髪を指で取られ、藤田先生はまっすぐに私を見つめる。その黒い瞳には泣き顔の私が映り、優しく細められた。
「この数ヶ月、年甲斐もなく浮かれていたよ。お前がちょろちょろうろつくせいでな」
「迷惑掛けてすみません……」
先生は首を横に振った。
「……楽しかったよ。でも、どこかで区切りをつけないといけないとも思っていた。……これ以上は無理だ」
私は、声をあげて泣いた。
先生は、悔しいほど優しく微笑みながら「ありがとう」と繰り返す。
涙が枯れた頃、髪を撫でていた大きな手が離れた。
これで終わりだと言っているかのように。
「送るよ」
「……はい」
帰り道の車内に流れていた曲は一巡して、たなばたに戻っていた。
成就しない恋をする者からしてみれば、織姫と彦星は一年に一度会えるなら羨ましい……と、変なやっかみをしたりして。
「先生、ありがとうございました!」
この恋の終わりは笑顔でいたかった。それだけは決めていたから、明るく礼をした。
先生も、微かに微笑んでいる。いつものようにそっぽを向かず、しっかりと目を合わせて――。
「……じゃあな」
先生が望むなら、この罪はずっと胸にしまって、先生だけのものでいたい。
熱烈なキスを続けながら、先生の手がスカートの中に入った時、はっと思い出した。
やばい。
これは、言っておかなきゃ……!
「せ、先生っ、今日……せ、セーリなんです……けど」
「…………」
先生の動きが止まった。淫らで甘く切ない熱情で満たされていた空気が、少し変わるのを感じた。
「あのっ……」
「…………ははっ。今日もか」
先生は、夏休みのホテルの出来事を思い出したようで、屈託のない笑顔を見せた。
涙でぐちゃぐちゃの頬に張り付いた髪を指で取られ、藤田先生はまっすぐに私を見つめる。その黒い瞳には泣き顔の私が映り、優しく細められた。
「この数ヶ月、年甲斐もなく浮かれていたよ。お前がちょろちょろうろつくせいでな」
「迷惑掛けてすみません……」
先生は首を横に振った。
「……楽しかったよ。でも、どこかで区切りをつけないといけないとも思っていた。……これ以上は無理だ」
私は、声をあげて泣いた。
先生は、悔しいほど優しく微笑みながら「ありがとう」と繰り返す。
涙が枯れた頃、髪を撫でていた大きな手が離れた。
これで終わりだと言っているかのように。
「送るよ」
「……はい」
帰り道の車内に流れていた曲は一巡して、たなばたに戻っていた。
成就しない恋をする者からしてみれば、織姫と彦星は一年に一度会えるなら羨ましい……と、変なやっかみをしたりして。
「先生、ありがとうございました!」
この恋の終わりは笑顔でいたかった。それだけは決めていたから、明るく礼をした。
先生も、微かに微笑んでいる。いつものようにそっぽを向かず、しっかりと目を合わせて――。
「……じゃあな」