この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
17歳の寄り道
第29章 【千晴編】私のこと、好きですか?
こんな狭い場所で先生に組み敷かれて、何者にも阻まれずに二人だけの罪を犯してもいい。
先生が望むなら、この罪はずっと胸にしまって、先生だけのものでいたい。
熱烈なキスを続けながら、先生の手がスカートの中に入った時、はっと思い出した。
やばい。
これは、言っておかなきゃ……!

「せ、先生っ、今日……せ、セーリなんです……けど」
「…………」

先生の動きが止まった。淫らで甘く切ない熱情で満たされていた空気が、少し変わるのを感じた。

「あのっ……」
「…………ははっ。今日もか」

先生は、夏休みのホテルの出来事を思い出したようで、屈託のない笑顔を見せた。

涙でぐちゃぐちゃの頬に張り付いた髪を指で取られ、藤田先生はまっすぐに私を見つめる。その黒い瞳には泣き顔の私が映り、優しく細められた。

「この数ヶ月、年甲斐もなく浮かれていたよ。お前がちょろちょろうろつくせいでな」
「迷惑掛けてすみません……」

先生は首を横に振った。

「……楽しかったよ。でも、どこかで区切りをつけないといけないとも思っていた。……これ以上は無理だ」

私は、声をあげて泣いた。
先生は、悔しいほど優しく微笑みながら「ありがとう」と繰り返す。


涙が枯れた頃、髪を撫でていた大きな手が離れた。
これで終わりだと言っているかのように。


「送るよ」
「……はい」


帰り道の車内に流れていた曲は一巡して、たなばたに戻っていた。
成就しない恋をする者からしてみれば、織姫と彦星は一年に一度会えるなら羨ましい……と、変なやっかみをしたりして。

「先生、ありがとうございました!」

この恋の終わりは笑顔でいたかった。それだけは決めていたから、明るく礼をした。
先生も、微かに微笑んでいる。いつものようにそっぽを向かず、しっかりと目を合わせて――。


「……じゃあな」

/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ