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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
浅野とはそんな調子だったが、それなりにキャンパスライフを楽しみ、フットサルサークルにも参加して、青春のようなものを謳歌していた。
本格的にサッカーをしたいとも思わないでもなかったが、その険しい道は諦めた。
普通に卒業して、普通に就職。それでいい。それで十分。
文系の俺と違い、医学部の浅野は忙しくしていた。
初めは、こいつが医者になりたかったなんてと面食らったが、成績だけはよかったんだよな。
でも、俺には疲れたそぶりも見せず、たまにカップ麺を買いこんではバイクでやってくる。
男同士会話が弾むわけではないのに、漫画の趣味だけは合ったようで、毎週買ってる週刊漫画をまとめ読みして帰って行った。
そして、ベッドに寝転がって漫画を読みながら俺に尋ねる。
「涼ちん、女できた?」
「いや…」
彼女とは言えないまでも、何人かには言い寄られたりしたが、どれも好みのタイプではない。
「涼ちんかっこいいのにな。爽やかで」
「褒めてんのか?」
「褒めてるよ。いいじゃん、爽やか君」
「絶対褒めてねえだろ」
そうしてもうすぐ、大学生になってはじめての夏休み。
例の如く浅野が俺のベッドを占領しての漫画中に、高校サッカー部の仲間だった三浦から連絡があった。
学園のサッカー部OBで集まろうという話だった。
『涼太には遠くなるけどさ、久しぶりに来いよ!夜遅くなったら泊まってけよ』
ミウの穏やかな声は変わらない。
「マジか、行く行く。みんな元気かな」
『加納ちゃんが涼太にメッチャ会いたがってるって』
加納ちゃんとは、ひとつ下の女子マネだ。絵にかいたような慌て者だったが……懐かしいな。
本格的にサッカーをしたいとも思わないでもなかったが、その険しい道は諦めた。
普通に卒業して、普通に就職。それでいい。それで十分。
文系の俺と違い、医学部の浅野は忙しくしていた。
初めは、こいつが医者になりたかったなんてと面食らったが、成績だけはよかったんだよな。
でも、俺には疲れたそぶりも見せず、たまにカップ麺を買いこんではバイクでやってくる。
男同士会話が弾むわけではないのに、漫画の趣味だけは合ったようで、毎週買ってる週刊漫画をまとめ読みして帰って行った。
そして、ベッドに寝転がって漫画を読みながら俺に尋ねる。
「涼ちん、女できた?」
「いや…」
彼女とは言えないまでも、何人かには言い寄られたりしたが、どれも好みのタイプではない。
「涼ちんかっこいいのにな。爽やかで」
「褒めてんのか?」
「褒めてるよ。いいじゃん、爽やか君」
「絶対褒めてねえだろ」
そうしてもうすぐ、大学生になってはじめての夏休み。
例の如く浅野が俺のベッドを占領しての漫画中に、高校サッカー部の仲間だった三浦から連絡があった。
学園のサッカー部OBで集まろうという話だった。
『涼太には遠くなるけどさ、久しぶりに来いよ!夜遅くなったら泊まってけよ』
ミウの穏やかな声は変わらない。
「マジか、行く行く。みんな元気かな」
『加納ちゃんが涼太にメッチャ会いたがってるって』
加納ちゃんとは、ひとつ下の女子マネだ。絵にかいたような慌て者だったが……懐かしいな。