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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
思わず笑顔で三浦と電話する俺を、漫画を一冊読了した浅野が、透き通るような瞳で俺を見ていた。

「……な、何?」

浅野に言ったのだが、ミウが『え?』と聞き返して来る。

「あ、こっちのこと――何でもないよ」

浅野はあくびをしてまたベッドに横になり、違う漫画を手に取る。
ミウに、「浅野が家にいるんだよ。なんか知らねえけど来るんだよ」っつってもなぁ……。

それより。
サッカー部で集まるのも楽しみだが、せっかくそっちに行くなら、白川にも会いたい。
ミウは千晴にフラれた後もアタックし続け、今普通に友達にはなっているはず。

恥ずかしながら、白川に直接連絡を取る勇気がない……。
そうなると、千晴、もしくはミウからの千晴に頼むしかない。
浅野には何も言わずに、ミウと白川たちと4人で会うか?

などと、セコい考えが次々と浮かぶ。
セコい。器が小さい。自分でもその自覚はあるから許してくれ。

でも、あれだけ好きだったんだ。
誰にも邪魔されずに、もう一度会いたい。

そう願うぐらいいいじゃないか。



白川に会いたい。
会って、玉砕覚悟で告白したい。

ずっと好きだったと伝えたい。
困らせてしまうかもしれないけど、言わずに悶々とするよりは……。

夜な夜な白川を想い浮かべたあの日々。
白川のあの姿を想像して、自分のものにして自己処理に励む日々(若さゆえ)。

浅野と付き合いだしたと聞いた時は、心が粉々になった。

……大嫌いだった浅野遥。
こういう、何でも自分の思い通りになると思っていそうな奴が一番嫌いだった。
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