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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
話は高校1年生の頃に戻る。
クラスの奴ら何人かが女の話で騒いでいた。「誰の話?」と聞くと、俺を含め発情期の面々は目を輝かせて楽しげに話し出す。
「白川だよー。あの乳揉んでみてえな」
「愛想いいしな〜」
「毎日あいつでオナれるわ」
「みんなのオナペットだな」
白川は大人しいがいい子だと思う。
よく見ると可愛らしく、俺は嫌なイメージを抱いたことがなく、むしろ好感を抱いていた。
そんな白川が、不特定多数にクソみたいな妄想をされているのが耐えられなかった。
自分はさておき。
「やめろよ」
つい正義感を出して、刹那的に盛り上がっているだけの話を止めてしまった。
「何だよ、涼太狙ってんの?」
「ああ。狙ってる。だからその話やめてくれる」
そう言い捨て、鞄とadidasのバッグを取り部活に行こうとしたら、同じく教室を出ようとしていた浅野と偶然ぶつかった。
「ってーな…」
俺に睨みをきかせ、俺の前を歩く浅野。
「お前がぼーっとしてるからだろ」
いつもなら言い返さないのに口をついて出た。
その時はむしゃくしゃして仕方なかった。
浅野は、180ほどある俺と目線が変わらない。睨まれると凍りつきそうなほど鋭い視線だが、俺には何も言わずにふいっと教室を出て行った。
………が、行き先が一緒なのか、ずっと俺の前を歩いている。
ずっと後ろを歩くのも癪だ。
追い抜かそうとした時、廊下の突き当たりの窓で佇む白川が振り向いた。
「あっ。東野君!浅野君も、バイバイ」
白川は、浅野にも俺と同じように、目を細めて手を振った。
浅野はうんともすんとも答えず、俺は背後にいるため表情は見えないまま、角を曲がって階段を降りていった。
でも白川はそんな浅野に、俺と同じ笑顔だった。
浅野が降りていった後、俺は白川の前にバッグを置いた。
「今日もサッカー部見て帰るの?」
「うん。がんばってね」
「がんばるよ」
たびたびサッカー部を眺めて帰る白川。
いつしか彼女に惹かれていた俺は、いいとこ見せるために部活も張り切っていて……。
俺とはよく話すし、俺のこと好きなのかなと思っていたけど……そうでもないの?
クラスの奴ら何人かが女の話で騒いでいた。「誰の話?」と聞くと、俺を含め発情期の面々は目を輝かせて楽しげに話し出す。
「白川だよー。あの乳揉んでみてえな」
「愛想いいしな〜」
「毎日あいつでオナれるわ」
「みんなのオナペットだな」
白川は大人しいがいい子だと思う。
よく見ると可愛らしく、俺は嫌なイメージを抱いたことがなく、むしろ好感を抱いていた。
そんな白川が、不特定多数にクソみたいな妄想をされているのが耐えられなかった。
自分はさておき。
「やめろよ」
つい正義感を出して、刹那的に盛り上がっているだけの話を止めてしまった。
「何だよ、涼太狙ってんの?」
「ああ。狙ってる。だからその話やめてくれる」
そう言い捨て、鞄とadidasのバッグを取り部活に行こうとしたら、同じく教室を出ようとしていた浅野と偶然ぶつかった。
「ってーな…」
俺に睨みをきかせ、俺の前を歩く浅野。
「お前がぼーっとしてるからだろ」
いつもなら言い返さないのに口をついて出た。
その時はむしゃくしゃして仕方なかった。
浅野は、180ほどある俺と目線が変わらない。睨まれると凍りつきそうなほど鋭い視線だが、俺には何も言わずにふいっと教室を出て行った。
………が、行き先が一緒なのか、ずっと俺の前を歩いている。
ずっと後ろを歩くのも癪だ。
追い抜かそうとした時、廊下の突き当たりの窓で佇む白川が振り向いた。
「あっ。東野君!浅野君も、バイバイ」
白川は、浅野にも俺と同じように、目を細めて手を振った。
浅野はうんともすんとも答えず、俺は背後にいるため表情は見えないまま、角を曲がって階段を降りていった。
でも白川はそんな浅野に、俺と同じ笑顔だった。
浅野が降りていった後、俺は白川の前にバッグを置いた。
「今日もサッカー部見て帰るの?」
「うん。がんばってね」
「がんばるよ」
たびたびサッカー部を眺めて帰る白川。
いつしか彼女に惹かれていた俺は、いいとこ見せるために部活も張り切っていて……。
俺とはよく話すし、俺のこと好きなのかなと思っていたけど……そうでもないの?