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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
ぎくりとした。

なんだあいつ……
つかみどころねえ奴だなと思ってたら、しっかり気付いてやがる。
あんな何も考えていない様な奴に、俺の思惑がバレているとは。

別に、浅野に遠慮なんかしてねえし……
つーか、浅野は白川に会いたくないのか?

煙に巻かれたような心持で家に戻ると、ミウから再度連絡が入った。

『サッカー部OBで集まった日、ひと晩泊まってけば?』と言ってもらもえて、1泊して帰ることに決まった。

千晴とか……白川は元気かな。
と、ミウに言いたかったけど、それは言えず。


自分のスマホに表示されている白川のLINEを見る。彼女はあまりSNSはしないらしく、ひとつも投稿されていないが、プロフ画像が変わっている。

なんか……手作りのアンパンマンの人形?
保育士になりたいって言ってたから、その関係か?

「がんばってるんだな……」

その画像を眺めるだけで、俺からは何も送信できなかったが、会いたい気持ちを一層募らせながら眠りにつく……前に、自己処理はする。

いい加減、本物に触れたい。


一応、中学の時にそういう経験はした。
相手は一つ下の後輩で、サッカー部のマネージャーだった子。
黒髪ストレートの色白。今思えば見た目は白川と同じタイプかもしれない。

清楚と見せかけて、ビッチだったことが判明し、俺以外の部員とも関係を持っていて、幻滅して別れた。

浅野は、白川の体を自分のものにしたのかな。
そう考えると、悔しくて仕方ない。

呻きながらティッシュに出した嫉妬と欲情の塊は、袋に入れて捨てた。



翌日。1限の経済史の時間。
経済学部である俺は毎回出ていた講義だ。
レポート重視の教授なので、隠れ受講者も多かったが、この日はそのレポート提出期限日となっていて、いつもより学生がいた。

後ろから入り、緩やかな段を降りてゆくと、机に突っ伏していびきを掻いている男と、その奥には派手め女子が手鏡で自分の髪型を確認しながら座っていた。

つーか寝てる男!浅野じゃねえか!
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