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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
俺は条件反射でずかずかと近づき、浅野を揺さぶった。

「おい、浅野!」
「ん……あ、おう。おはよう。涼ちんもコレ取ってたっけ?」

半分夢の世界にいる浅野。
いやいや、そんなことより隣の上目遣いの目力女子は誰だよ。

と、思うものの、女子の前で無粋なやりとりをするのも気が引けるので、声のトーンを落とした。

「……経済史は最初からずっと取ってるよ。ここでお前の姿初めて見る気がすんだけど」
「ああ……1限早くて起きれなくて……必修じゃねえし……」
「ちょっと、ねえねえ、広瀬くん……」

目力女子は、俺と話の途中だというのに浅野の耳に手を当ててこそこそと何かを話し、俺にまで上目遣いを繰り出してきた。

そこそこ可愛いのかもしれないが、俺は清楚なのが好きなんだ。黒髪ストレートの色白が!

「浅野。来い」
「へ?」

俺は目力女子にぺこりと頭を下げ、「ちょっと借ります」と断り、浅野を引きずって窓際に連行した。

目力女子はちらちらと俺らの方を見ていたが、途中で似た部類の目力友達が来たようで、今度はその友達と二人では熱視線を送ってきた。

が、俺はそれどころではない。

「おい、白川はどうした……!」
「どうしたって何が……」
「何だよあれ。つきあってんのか?ベタベタしてきすぎだろ、あの女」
「はは。涼ちんのタイプじゃねえだろな」

何へらへら笑ってんだこいつ。
じゃあ、浅野はあんなのがタイプだと言うのか?

「……俺はもっと清楚な方がいいよ」
「はは。女に夢見すぎじゃね?」
「なんだと?」

カチンと来たが、浅野は何もかも見透かすような大人びた顔を見せた。

「付きまとってくるから適当に相手してただけだよ。しつこいからよ」

浅野はふああと欠伸をし、繊細な長い指で頬杖をついて俺を見る。
このイケメンが。元ヤンのくせに。

「医学部生はモテるな」
「そうか?涼ちんの爽やかっぷりには負けるぞ。今のでロックオンされたんじゃね?」
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