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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
「え?」

再び彼女たちの方を見ると、ひらひらと手を振ってきた。

「さすが爽やかキーパー」
「だからそれ褒めてねえだろが…………俺は……好きな奴しかいらねーし」

それから1限が終わるまでの90分、俺は浅野と二人で講義を受けた。

講義終了後、目力二人組が話しかけてきたが、俺も浅野も次の講義があったので、さっくりと解散した。


今週が終われば、夏休みになる。
浅野は1年生のうちから休み返上のようだったが、俺は自由だ。

スケジュールをチェックしていると、高校の仲間と会うのは、浅野が来週うちに来る日だとわかった。

……前もって浅野に、その日はいないって断りを入れるべきか?

俺は、あいつに一度も家に来いと行った覚えはないけど。

カップラーメンもいちいち買って来てるんだろうし。

白川に会うなら、遠慮するなって言ってたし。

どうせ向こうに行くなら、会いたいし……。


でも、浅野が他の女といる姿は、見ていて気分がいいものではなかった。

「はあ、何なんだよ俺……はっきりしねぇな……」

女々しくて情けない自分に嫌気がさす。

俺はスマホを取り出し、勇気を出して白川にLINEをすることにした。

『東野です。
久しぶり。元気?
来週の◯日、そっちに行きます。
もしよかったら会いたいんだけど
都合はどうかな』

こんな何の変哲もない文章を書くのに、夕方からああでもないこうでもないと推敲し、やっと送信をした時には、夜になっていた。
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