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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
いつしか、浅野が来る日は予定を空けていた俺。特段会話があるわけではないあの時間も、嫌いではなくなっていた。

浅野に対する後ろめたさは消えず、『来週は家にいねーから来るなよ』とLINEした。夜中に『了解』と返事が来ただけで、静まるスマホ……。

しかも来週、白川と会うんだけど。
そう言いたいけど、また自分の首を絞めることになったら……。

何だこの落ち着かない感じ。
何か、罪を犯しているような……
浅野に対して、何も悪いことなんてしていないというのに。


浮かない気分のまま、サッカー部OB会当日になった。
明日は白川に会えるのに、何で低迷してるんだ。

夏休みのレポート作成のために大学図書館を利用していた俺は、これから家に戻ってから、数時間掛けてミウの家まで向かう予定にしていた。

キャンパス内の石畳を早足で歩いて門を出ようとしていると、向こうの方で俺を見ている露出多めのオフショルダー女子がいた。

あ。この前の目力?

「あーっ♡広瀬君のトモダチだよね?」

笑顔で駆け寄ってくる派手派手しい目力。
一層化粧濃くなったんじゃね?

「ああ……」
あいつと友達かと聞かれるといつも言葉に詰まる。

「今から帰るの~?」
「うん……」
「あたしも帰るー♡涼ちんは電車で通ってるのー?」
「そうだけど……」

目力の舌足らずな話し方に眉をひそめながらも、何故だか二人で駅まで歩く。
知らない女子(おまけに肉食系)だと、何をしゃべっていいのかわからない。

――という心配も杞憂に終わったほど、目力はいろいろしゃべってくれた。
逆に、人のことを簡単にしゃべりすぎじゃないかと心配になる中、俺は耳を疑う事実を知った。

どうやら、この前いた目力の友達(目力B)は、浅野のセフレらしい。


何やってんだよ浅野……!

「君も、浅野…じゃなくて広瀬とセフレなの?」

俺は目力Aの瞳を見つめて尋ねた。
先日見かけたベタベタ加減ではそうであってもおかしくなく、むしろ絶対ヤッてんだろというような空気だったのだが。

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