この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
お開きの時間になった。
同期OBでこれからは定期的に会おうと固く約束して解散となる。
俺とミウが駐車場に向かおうとすると、シャツの裾をつんっと引っ張られた。
振り向いたら、裾を掴んでいるのは小谷さん。その後ろに加納ちゃんがいる。
「あの……東野先輩。ちょっと、いいですか?」
と小谷さんが俺を見上げた。
「陽菜の話、聞いてあげて下さい」
陽菜とは、加納ちゃんの下の名前だ。
気を利かせたらしいミウが、小谷さんと少しの間コンビニに行き、俺と加納ちゃんをガードレール脇で二人きりにさせた。
うーん……。
申し訳ないが、もし告白なら、答えは決まっている。
俺も加納ちゃんのことはいい子だと思っているので、あまり気まずくなりたくない。
恋愛対象かと言われると、そうではないし……。
俺の嫌いなビッチとはかけ離れている加納ちゃんだが、やはり俺も男なので……と言うと、大変失礼だけど……。
俺の迷いが顔に出ていたのか、加納ちゃんは溜息まじりに口を開いた。
「東野先輩……私、わかってます」
「え?」
「先輩、白川さんみたいなのが好きなんですよね」
「あ、……」
何故知っている?
加納ちゃんは、俺の顔を見て、「やっぱり」と小さく呟いた。
「私なんかとは、つきあってもらえないのはわかってます。でも……先輩、見る目ないと思います」
ん?
どういうことだ?
加納ちゃんは、顔を歪めて、俺の知らない表情を見せる。
「白川さんって、すぐ男の人をその気にさせる人ですよね。美咲も言ってました。村上先生にまでモーションかけてたって」
「村上先生?」
A組の担任だったあの村上か?
全然そんな感じには見えなかったけど。
「先輩は白川さんを好きだから、何でもよく見えちゃうんですよ」
「……俺に聞いてほしい話ってそれ?」
加納ちゃんの言葉が納得行かず、少し語気を強めてしまった。
「…………あ……ち、ちがい、ます……」
「悪いけど……ちょっと気分悪い。白川は、ずっと友達だから」
「ごめんなさい……」
みるみるうちに、加納ちゃんの目に涙が溜まる。
ああ……泣かせてしまった――。
同期OBでこれからは定期的に会おうと固く約束して解散となる。
俺とミウが駐車場に向かおうとすると、シャツの裾をつんっと引っ張られた。
振り向いたら、裾を掴んでいるのは小谷さん。その後ろに加納ちゃんがいる。
「あの……東野先輩。ちょっと、いいですか?」
と小谷さんが俺を見上げた。
「陽菜の話、聞いてあげて下さい」
陽菜とは、加納ちゃんの下の名前だ。
気を利かせたらしいミウが、小谷さんと少しの間コンビニに行き、俺と加納ちゃんをガードレール脇で二人きりにさせた。
うーん……。
申し訳ないが、もし告白なら、答えは決まっている。
俺も加納ちゃんのことはいい子だと思っているので、あまり気まずくなりたくない。
恋愛対象かと言われると、そうではないし……。
俺の嫌いなビッチとはかけ離れている加納ちゃんだが、やはり俺も男なので……と言うと、大変失礼だけど……。
俺の迷いが顔に出ていたのか、加納ちゃんは溜息まじりに口を開いた。
「東野先輩……私、わかってます」
「え?」
「先輩、白川さんみたいなのが好きなんですよね」
「あ、……」
何故知っている?
加納ちゃんは、俺の顔を見て、「やっぱり」と小さく呟いた。
「私なんかとは、つきあってもらえないのはわかってます。でも……先輩、見る目ないと思います」
ん?
どういうことだ?
加納ちゃんは、顔を歪めて、俺の知らない表情を見せる。
「白川さんって、すぐ男の人をその気にさせる人ですよね。美咲も言ってました。村上先生にまでモーションかけてたって」
「村上先生?」
A組の担任だったあの村上か?
全然そんな感じには見えなかったけど。
「先輩は白川さんを好きだから、何でもよく見えちゃうんですよ」
「……俺に聞いてほしい話ってそれ?」
加納ちゃんの言葉が納得行かず、少し語気を強めてしまった。
「…………あ……ち、ちがい、ます……」
「悪いけど……ちょっと気分悪い。白川は、ずっと友達だから」
「ごめんなさい……」
みるみるうちに、加納ちゃんの目に涙が溜まる。
ああ……泣かせてしまった――。