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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
翌日は、待ち合わせ時間ギリギリについた。

駅前の駐車場に車を停めることにし、俺だけ先に降りて待ち合わせ場所に向かう。
千晴はもう駅に着いているらしいが、白川は少し遅れているらしい。

噴水前での待ち合わせ。この地域じゃ定番だ。
……千晴はまだいない。

ちょうど3時、噴水が派手に噴き上がり、鳩時計が出たり引っ込んだり。
それを見ながら、俺はしつこく良心の呵責に苛まれていた。

やっぱり浅野に黙って会うのはフェアじゃない。
それに、セフレ話もやはり捨て置けない。

俺はクリアな気持ちで白川に告白したい。
ずるい真似はしたくない。

スマホを取り出し、浅野に発信する。
何度かコール音がした後、「なにー?」のんきな声で浅野が出て、イラッとした。

「……お前、セフレいるらしいな?」
『え?何て?聞こえね』

俺の質問がよくわからなかったらしく、もう一度言わされる。

「セフレだよ!いるんだろ?」
『は?いねえよ。誰がセフレだよ』

目力Bだよ!

「名前はわかんねーけど、経済史の時間に会った奴らだよ」

すると、浅野もはっきりしない様子を醸し出す。

『あー、……セフレじゃねえけど、新歓コンパの後で、酔ってたからあんまり覚えてないし』

何かあったことは事実なんだな。このヤリ○ンが!
俺は、激しめの水飛沫が己に掛かっていることにも気付かずに、浅野に宣言する。

「俺は、今から白川と会うんだよ。好きだったって言うつもりだし」

『あー。言えばいんじゃね?』

何だと?

まだ意地を張り続ける浅野に、俺は周りに人がいることも忘れて全力で罵った。

「興味ないふりしてんじゃねえ、寒いわ!お前がまだ未練あることぐらいわかってんだよ!『浅野はセフレ作って楽しくやってる』って白川に言っといてやるわ!バラされたくなかったらすぐ来い!」

通り過ぎゆく女性数名が、スマホ片手に大声を出して騒ぐ俺を見、早足に去って行った。
完全に危ない輩だと思われている。

浅野は数十秒黙っていたが、重々しく聞いてきた。

『…………そこ、どこだよ』

「学園駅前だよ!来い!」


それを告げるとすぐに電話が切れた。

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