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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
つい、呼びつけてしまったが……本当に来るのか?

ていうか、今……自分の首を思いっきり絞めた気がする。
そして、俺も浅野も振られたら、世にも寒々しい展開になる。

早まったかもしれない……。

ちょっと後悔しながらスマホの画面を呆然と見ていると、ぽんっと背中を叩かれた。

「涼太ー?変わってないねー。久しぶり~。何でシャツ濡れてんの?」

千晴だった。

「ああ、久しぶりだな。白川は……?」
「碧は急遽午前中バイト入ったらしくて、さっき上がって今向かってる途中だってー。三浦君は?」
「今、駅前駐車場に車停めてて……あ、来た」

ミウが後ろから爽やかな笑顔で走ってきて、「あれ?涼太、何で服濡れてんの?」と一言聞いてきた。



「東野君、久しぶりだね!なんか私服だとイメージ違うね!」

白川が遅れてやってきた。
かわいい。やっぱりすげーかわいい。

白いフワッとしたシャツに、フワッとした膝上スカート。
セーラー服からのフワフワ私服がグッときた。

それを見抜いたのか、千晴が俺をちらりと確認し、“いつ告んの?”という視線を送ってきた。

“まだです……”と視線を返すと、千晴が“さっさとしなさいよ”という目をする。

わかってます……。

でも、さっき浅野に盛大に宣言した手前、逆に身動きが取りづらくなってしまった。
オウンゴールのフラグが立っている気もしてきて焦る。

浅野がバイクで来るとしても、1時間半はかかる。電車ならもっとだ。

「ボーリングするー?何か食べるー?どうしよう。碧、お腹空いてる?」
「あっ、大丈夫だよ!おにぎり食べてきたから」
「じゃあ、どうしよう?ボーリング?それにしても久しぶりだね~碧ちゃん」

千晴とミウと白川で俺の前を歩き、話を弾ませながら行き先を決めていた。
まずはボーリングに行こうという話にまとまったようだ。

このあたりは、カラオケ、ボーリング(オッサンにはゴルフの打ちっぱなし有)、あとはスーパー銭湯、大きな公園ぐらいしか娯楽がない。

数ヶ月ぶりに会い、やっぱり好きだなぁとしみじみ思いながら、ガーター連発の白川に癒されていた。
だらだらゲームをしながら、近況報告に興じる。

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