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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
2ゲーム目が終わるころ、「……顔ニヤついてるよ。怪しいからやめな」と千晴に言われ、速やかに顔を元に戻した。
こいつの忠告にはどきりとさせられる。

「で、どうすんのよ。告るなら三浦君とジュース買いに行くけど……早く決めてよね」
「せ、急かすなよ」
「アンタが頼んできたんでしょ。こっちにも都合があるのよ」

そりゃあそうか。千晴に協力を求めたのは俺の方だ。
でも、状況が変わってしまった。今、浅野はこっちに向かってるかもしれないし、すべては俺が招いた結果なんだけど……。

困惑する俺をしらっとした目で見ている千晴。

「じゃ、じゃあ、今から10分。10分したら戻ってきて」
鼓動が早鐘を打ち始め、汗がどっと噴き出してきた。

「……はーい。了解」
千晴は面倒くさそうにしつつも、ミウに声を掛けて立ち上がり、自販機へ行ってしまった。


「ボーリング、みんな上手だね~。私下手で……」

運動の苦手な白川は、ボーリングも苦手だろうに俺らに合わせてついてきてくれたんだよな。
いや、下手なのも可愛かったです……と思いながら、隣に座った。
心臓が口から飛び出るかもしれない。

ちらりと千晴たちの動向を確認すると、遠いところで俺らに背を向けて二人で楽しげに話している。
ミウは千晴にフラれたのにいい関係築いてるな……。
フラれても、あんな関係になれるもんなのかな?


俺が千晴たちを見ているのに気付いた白川が、にこにこと俺に話す。

「それにしても会えてよかったよね~。みんな全然変わってなくて、ホッとしたよ~」

う、可愛い。
ドキドキしながら足を組み、こほんと咳払いをする。


好きだって伝えなきゃ……。

彼氏いるの?
浅野とはどうなってる?

聞きたいこともあるけど、まずは、俺の気持ちを――。
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