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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
と思っていたのに、口から出た言葉は全く違っていた。


「白川ってさ。まだ浅野が好きなの?あんな奴やめといたほうがいいんじゃない?」

白川は驚いて俺を見た後、困ったように笑う。

「……東野君は、まだ遥と連絡取ってるの?」

遥…。

当たり前のように下の名前で呼ぶことに、イラッとした。
深い仲であったことを感じさせられ、俺はモヤモヤと嫉妬をする。

「あんな奴の何がいいのか、わかんねえ」
「……遥のこと、そんなふうに言わないでほしい」

白川の瞳が悲しげに揺れて、俺を拒むように顔を背けた。


おい、俺。

なんだこれは――。

完全に昨日のデジャヴだ。

こんなことが言いたいんじゃないのに!
これじゃあ加納ちゃんの二の舞だ……!

素直になれずに、ライバルをディスり続けてしまう。
嫌われてしまう!


その時、スマホが鳴り出した。――浅野だった。

「鳴ってるよ?」と白川。


くそ……!

俺は画面をタップして、半ば強引に白川の耳にスマホを当てた。

「えっ、何…っ?」

白川は、誰かの声が聞こえたらしく、目を見開いて俺を見る。



「……もしもし……うん、これ東野君のスマホで……うん。うん…………」



しばらくすると、彼女の目から、涙の粒が落ちた。
顔をくしゃくしゃにして、唇を噛み、次から次に涙が落ちる。

俺は、ポケットからネイビーのハンカチを出して白川に持たせると、泣き笑いのような顔でぺこりと頭を下げ、そっと目元を拭いている。


こんな顔、高校3年間のうちで、一度も見たことがなかった。
やっぱり俺のことは、眼中にないんだな。

白川は、浅野に何度も、何度も、謝っていて。
てっきり浅野の浮気か何かで泣かされて別れたと思っていたのに、どうやら違うようだ。



あーあ……。

何やってんだろう、俺。



電話を終えた白川が、真っ赤な瞳でスマホを渡してきた。

「ありがとう……東野君」
「あいつここに来るの?」
「うん。もう近くまで来てるらしくて……あ、あれかな?」

見てみると、浅野が超拗ねてる顔で、肩で風をきりながら近づいてくる。
どこのチンピラだよ。ガラ悪りー。

「……どうも。」と言う浅野に、思わず俺と白川は小さく笑う。

「……来たんだ。早かったな」
「来たよ。悪かったな」
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