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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
いつも余裕綽々の浅野が、落ち着かない様子で白川の隣にどすんと座った。
それでも全然彼女の顔を見ようとしない浅野に、白川は幸せそうに微笑みかけている。

その姿を見ていると、俺の入る余地など全くなかったことを感じた。


10分が終わり、ちょうど千晴とミウも戻ってくる。

「えっ!?浅野君だー!久しぶりー!碧に会いに来たのー?」

千晴のド直球に浅野は「まあ、そうだな」とふてぶてしく答えている。
……浅野も、千晴のようなタイプには強く出れないのだろうか。
俺だけじゃなくてよかった。

「涼ちんに呼ばれたから」
「へえ、涼太が呼んだんだ?ふたりまだ連絡取り合ってたの?」
「俺と涼ちん、大学一緒だし」

「「え!?」」と白川とミウが目を丸くしていた。

「聞きたいことたくさんあるけど……お邪魔だからとりあえず行こっか。涼太に三浦君」


千晴が気を利かせ、白川と浅野を残し、俺ら3人はボーリング場を出た。
この後ミウはバイトがあるので脱退し、千晴と二人になった。



ファミレスでテーブルに顔を伏せて項垂れる。

「はあ~~~…………」
「お疲れ。イケメン。よくやったじゃん。碧めっちゃ幸せそうだったじゃん」
「告白は大失敗だよ。余計なことばっかり言ったし……」
「昔、さっさと告っとけばよかったのにね~。両思いの時期もあったのに」

千晴はチョコレートケーキを食べながら、意地の悪い微笑みを浮かべ俺に言った。

「…え?」

「高1の時よ。絶対碧も涼太のこと好きだったと思うよ。あの頃よくサッカー部見てたでしょ。今はあの通り、浅野しか見えてないけど」
「その時言ってくれよ……!気付かねえよ……!」
「タイミングが悪かったね。そういう運命なんだよ」
「追い詰めんなよ。慰めろよ」 
「命令しないでよ。私、女々しい男嫌いだもん」
「ひでえ……」

千晴様に嬲られて、足蹴にされている気がしてきた。

「元気出しなよ、イケメンキーパー」
「イケメンなのに失恋してたら意味ねえよ」
「自分でイケメンって言うな!」

テーブルの下、ヒールでガツンと蹴りを入れられ、俺は顔を覆って溜息をついた。
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