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17歳の寄り道
第33章 【東野編】高校卒業、東野涼太
「涼太はさー。周りをよく見てみなよ。きっといい子いるよ。どうせ見た目で判断して、女に夢見すぎてんでしょ」
くっ……。
他人にそこまで言われる筋合いはない。
「俺にばっかり攻撃してくるけど、千晴は?男できたの?」
じろりと睨むと、千晴はきれいに塗られているネイルを弄りながら、「できない。いらない」と言い放った。
「好きな奴はいんの?」
「いるよ」
「えっ、いるの?誰?」
千晴は、艶のある唇の端を少し上げて、涼しげな瞳を細めるだけで、何も言わない。
……俺には話してくれないようだ。
俺から見てスペック高めであるミウでもだめなんだから、千晴こそ理想が高いんじゃないかと踏んでいるが、実際はどうなのかは知る術もない。
そうしていると、頼んでいたラーメンが来た。
「ファミレスのラーメンっておいしいの?」
千晴は怪訝そうに聞いてくるが、俺はまぁまぁうまいと思ってる。
「俺はうまいと思うけど、好みは人それぞれじゃねえの。恋愛と一緒で」
「え。何それ。格言のつもり?キマったとか思ってんじゃないでしょうね」
千晴には最後まで冷たくあしらわれ、失恋したての心をズタズタに切り裂かれて解散となった。
女々しい俺には、このぐらいはっきり言ってくれる相手の方が合ってるのか?
でも、タイプじゃねえんだよなぁ……。
よく、女に夢見過ぎって言われるけど。
なんで夢見たら駄目なんだ?
と思ってるうちは、彼女はできないのかもしれない。
浅野は、夏休み最終週にふらりと家に来た。
溜まってた漫画を読破していくのを、あいつが持ってきた絶品とんこつカップラーメンをすすりながら見つめる。
この日はからあげ君も付いていた。お礼の品か?
「白川は元気かよ」
何も言わない浅野に痺れを切らして、ついに俺から尋ねてしまう。
浅野はばさりと漫画を閉じると、バツが悪そうに言った。
「ああ。元気だよ。……涼ちんには感謝してる……」
まさか礼を言われるとは思わず、俺は浅野を二度見した。
「感謝しろ。一生な」
「涼ちんって結構すぐ調子乗るよな。」
言っとけ。
今回も、自らの暴走は別として、余計なアシストをしてしまって浅野を助けてしまった。
これで助けたのは二度目だぞ。
でも、奴に感謝されるのは気分がいい。
今度こそ二人がうまくいくといいなぁと、悔しさの裏で願った。
くっ……。
他人にそこまで言われる筋合いはない。
「俺にばっかり攻撃してくるけど、千晴は?男できたの?」
じろりと睨むと、千晴はきれいに塗られているネイルを弄りながら、「できない。いらない」と言い放った。
「好きな奴はいんの?」
「いるよ」
「えっ、いるの?誰?」
千晴は、艶のある唇の端を少し上げて、涼しげな瞳を細めるだけで、何も言わない。
……俺には話してくれないようだ。
俺から見てスペック高めであるミウでもだめなんだから、千晴こそ理想が高いんじゃないかと踏んでいるが、実際はどうなのかは知る術もない。
そうしていると、頼んでいたラーメンが来た。
「ファミレスのラーメンっておいしいの?」
千晴は怪訝そうに聞いてくるが、俺はまぁまぁうまいと思ってる。
「俺はうまいと思うけど、好みは人それぞれじゃねえの。恋愛と一緒で」
「え。何それ。格言のつもり?キマったとか思ってんじゃないでしょうね」
千晴には最後まで冷たくあしらわれ、失恋したての心をズタズタに切り裂かれて解散となった。
女々しい俺には、このぐらいはっきり言ってくれる相手の方が合ってるのか?
でも、タイプじゃねえんだよなぁ……。
よく、女に夢見過ぎって言われるけど。
なんで夢見たら駄目なんだ?
と思ってるうちは、彼女はできないのかもしれない。
浅野は、夏休み最終週にふらりと家に来た。
溜まってた漫画を読破していくのを、あいつが持ってきた絶品とんこつカップラーメンをすすりながら見つめる。
この日はからあげ君も付いていた。お礼の品か?
「白川は元気かよ」
何も言わない浅野に痺れを切らして、ついに俺から尋ねてしまう。
浅野はばさりと漫画を閉じると、バツが悪そうに言った。
「ああ。元気だよ。……涼ちんには感謝してる……」
まさか礼を言われるとは思わず、俺は浅野を二度見した。
「感謝しろ。一生な」
「涼ちんって結構すぐ調子乗るよな。」
言っとけ。
今回も、自らの暴走は別として、余計なアシストをしてしまって浅野を助けてしまった。
これで助けたのは二度目だぞ。
でも、奴に感謝されるのは気分がいい。
今度こそ二人がうまくいくといいなぁと、悔しさの裏で願った。