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17歳の寄り道
第34章 【碧編】夢の途中
お互いの親には、同棲を始める前に挨拶に行っていた。
短大生の時で、就職が決まった頃だ。
遥のおばあちゃんはすごい迫力だったけれど、お手製のお鍋はすごくおいしくて、みんなで食卓を囲んだ。
遥のお母さんは、ふわっと笑う儚げな人で、小さいころの遥の話をしてくれて、アルバムも見せてくれて。
病室で抱っこされて、笑顔で写っている遥とお母さんを見ていると、大変でも、そこにはちゃんと幸せがあったんだなぁと胸が熱くなった。
「碧ちゃんは保育士さんになりたいんだってね」
「はい……保育の仕事がしたいです。働くお母さんのサポートができればと思っていて……」
「いい先生になりそうだわ」
にこりと微笑むお母さんに、迂闊にも涙が出そうになってしまった。
「大丈夫だよ。あんたは図太そうだし、逞しそうだからね」
と遥のおばあちゃんに言われ、「もう、おばあちゃん。失礼よ」と遥のお母さんが窘める。
……どうやら、図太さがにじみ出ているようだ。
その後は、タイミングが合わなくて、お母さんにもおばあちゃんにも会えていなかったけど――。
遥にぎゅっと抱きつくと、遥は私を抱きしめながら言った。
「うちにも戸籍謄本取りに行かないとな。郵送はめんどくさいし」
「そうだね。でも、お母さんたちにいきなり結婚って言ったらびっくりしない?」
「え?うちの親にはさっき電話で伝えたけど。反対されなかったよ。小言は言われたけど」
「えええ……!小言って何…?」
「いつもの心配性だよ」
同棲するぐらいなら籍は入れた方がいいけれど、まだ一人前でもないのに、と言われたようだ。
「碧の母ちゃんの承諾を得ているならいいよって言ってたから。明日許しを請おう」
「いや、うちのお母さんは反対しないと思うよ。反対するなら同棲する時点でアウトだと思う」
「そうだよな!俺もそう思う」
遥は改めて私の肩を抱き寄せ、優しく唇を重ねた。
何度もしてきたキスが、特別なものに思えた。
短大生の時で、就職が決まった頃だ。
遥のおばあちゃんはすごい迫力だったけれど、お手製のお鍋はすごくおいしくて、みんなで食卓を囲んだ。
遥のお母さんは、ふわっと笑う儚げな人で、小さいころの遥の話をしてくれて、アルバムも見せてくれて。
病室で抱っこされて、笑顔で写っている遥とお母さんを見ていると、大変でも、そこにはちゃんと幸せがあったんだなぁと胸が熱くなった。
「碧ちゃんは保育士さんになりたいんだってね」
「はい……保育の仕事がしたいです。働くお母さんのサポートができればと思っていて……」
「いい先生になりそうだわ」
にこりと微笑むお母さんに、迂闊にも涙が出そうになってしまった。
「大丈夫だよ。あんたは図太そうだし、逞しそうだからね」
と遥のおばあちゃんに言われ、「もう、おばあちゃん。失礼よ」と遥のお母さんが窘める。
……どうやら、図太さがにじみ出ているようだ。
その後は、タイミングが合わなくて、お母さんにもおばあちゃんにも会えていなかったけど――。
遥にぎゅっと抱きつくと、遥は私を抱きしめながら言った。
「うちにも戸籍謄本取りに行かないとな。郵送はめんどくさいし」
「そうだね。でも、お母さんたちにいきなり結婚って言ったらびっくりしない?」
「え?うちの親にはさっき電話で伝えたけど。反対されなかったよ。小言は言われたけど」
「えええ……!小言って何…?」
「いつもの心配性だよ」
同棲するぐらいなら籍は入れた方がいいけれど、まだ一人前でもないのに、と言われたようだ。
「碧の母ちゃんの承諾を得ているならいいよって言ってたから。明日許しを請おう」
「いや、うちのお母さんは反対しないと思うよ。反対するなら同棲する時点でアウトだと思う」
「そうだよな!俺もそう思う」
遥は改めて私の肩を抱き寄せ、優しく唇を重ねた。
何度もしてきたキスが、特別なものに思えた。