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17歳の寄り道
第35章 【千晴編】24歳、須賀千晴
朝のバスで倉谷先生に遭遇した。

前はめんどくさくて、素知らぬ顔して避ける時もあったけど、大人気ないので会釈はする。

「おはよ!今日はご機嫌なの?」

普通に対応しただけでご機嫌扱いだ。

「千晴ちゃんてさー、最近吉川と仲良い?」

あれから、定食屋さんで一緒になるくらいだけど…?

「普通ですよ」
「嘘だね!あいつも、若い女子いたらすぐ飛びついて目ざといわ〜」

吉川先生、散々。(私も?)

「倉谷先生は若かったら何でもいいんですか?」
「違うよ!若くてかわいい子だよ!」

2ヶ月も経つと倉谷先生のノリにも慣れてきた。
藤田先生も吉川先生も車で通勤しているので、バスで会うことはない。


もうすぐ終業式。
学生の時と違うのは、夏休みに入っても仕事は続くこと。
そしてもうすぐ、私の誕生日だ。

17歳になった日は藤田先生と過ごした。

子供扱いされながら、一緒にお昼寝した二人きりの時間。
おかげで毎年誕生日は先生のことを思い出してしまう。

「千晴ちゃん、終業式の打ち上げ来る?」
「え…」
「いいじゃん!俺幹事なの。決まり!吉川の隣には座らせないけどね!」

ピシッと指をさされた。

バスを降りたら、中等部の生徒が「彼女?」と聞いてきて、「そうなるように努力してる!」と軽く答えている。

最初はヒヤヒヤしていたけど、最近は私も呆れ笑っている。

倉谷先生の精神年齢は中学生と同じぐらいかな。
難しい年頃の子とも仲良くやっているみたいだし、そこは尊敬する。


藤田先生は、私が倉谷先生と歩いていようが、吉川先生とお昼ごはんを食べようが、何も言ってこない。

業務中には会わないし、放課後のサッカー部を見つめていても、フェンスの向こうにいる藤田先生がこっちを向く事はなかった。
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