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17歳の寄り道
第37章 【藤田編】体育教師、藤田哲
共学化した後は、大きな混乱はなく毎日が過ぎていたが、何人かのバカは、女子を遊びの標的にし、奴らの処遇に頭を悩ませた。
枠からはみ出した生徒に、毎日怒りを向け続ける日々は変わらない。
規律に従えない奴はバカだ。
そう思いながら、毎日奴らを叱責する。
そんな俺の何がいいのか。
一人の女子生徒が俺の後をついて回っていた。
俺を見て微笑む奴などいない。
俺に近づきたがる奴などいないのに。
家での、俺を見る惇の冷ややかな目。
みのりは、俺のことなど見ようともせず、仕事と好きなことだけしている。
そして、日々の仕事。
年端も行かない17歳の彼女に、しがない俺の心の空洞を柔らかく満たされ、色あせていた毎日が華やかに彩られたようだった。
「何聞いてるんですか?ラジオ?」
俺のことを知りたがり、迷いなく真っ直ぐに俺の目を覗き込む。
俺に近づいて触れたがって、たやすく俺の心を占領した。
彼女に誘われ、教師としてあるまじき行為を何度も重ねた。
その頃具合の悪くなった母親の介護も重なり、彼女の体に触れる時間は、俺にとっても魅惑のひとときになっていた。
かろうじて最終の行為だけは避けたが、俺の手で須賀の体を弄ぶことに何とも言えない征服欲を持ち、己の弱さは彼女の我儘にすり替えた。
体を貪ることはしても、大事にはしてやれなかった。
彼女は、恋に恋をしているだけなのだろう。
叶わない恋はそれだけで中毒性がある。
それも、頭では理解しているつもりだった。
俺が本気になってしまったら、全てが終わってしまう。
しかし、甘やかな時間は何ものにも代えがたく、断ち切れずにいた。
同世代の男は、彼女の魅力に気付いていた。
俺が解放すれば、彼女がその男たちに染められるのかと思うと、苦しかった。醜い嫉妬だ。
自分の愚かさに心から嫌気がさした日、やっと彼女の手を離すことができた。
枠からはみ出した生徒に、毎日怒りを向け続ける日々は変わらない。
規律に従えない奴はバカだ。
そう思いながら、毎日奴らを叱責する。
そんな俺の何がいいのか。
一人の女子生徒が俺の後をついて回っていた。
俺を見て微笑む奴などいない。
俺に近づきたがる奴などいないのに。
家での、俺を見る惇の冷ややかな目。
みのりは、俺のことなど見ようともせず、仕事と好きなことだけしている。
そして、日々の仕事。
年端も行かない17歳の彼女に、しがない俺の心の空洞を柔らかく満たされ、色あせていた毎日が華やかに彩られたようだった。
「何聞いてるんですか?ラジオ?」
俺のことを知りたがり、迷いなく真っ直ぐに俺の目を覗き込む。
俺に近づいて触れたがって、たやすく俺の心を占領した。
彼女に誘われ、教師としてあるまじき行為を何度も重ねた。
その頃具合の悪くなった母親の介護も重なり、彼女の体に触れる時間は、俺にとっても魅惑のひとときになっていた。
かろうじて最終の行為だけは避けたが、俺の手で須賀の体を弄ぶことに何とも言えない征服欲を持ち、己の弱さは彼女の我儘にすり替えた。
体を貪ることはしても、大事にはしてやれなかった。
彼女は、恋に恋をしているだけなのだろう。
叶わない恋はそれだけで中毒性がある。
それも、頭では理解しているつもりだった。
俺が本気になってしまったら、全てが終わってしまう。
しかし、甘やかな時間は何ものにも代えがたく、断ち切れずにいた。
同世代の男は、彼女の魅力に気付いていた。
俺が解放すれば、彼女がその男たちに染められるのかと思うと、苦しかった。醜い嫉妬だ。
自分の愚かさに心から嫌気がさした日、やっと彼女の手を離すことができた。