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17歳の寄り道
第38章 【千晴編】スタートライン
同じ服で出勤するのも…ということで、やはり一度家に帰ることにした。
車のキーを握った先生が玄関で私を待っている。

家に戻るだけだけど、軽くメイクをして簡単に支度を済ませて、サンダルをはいた。

「千晴」

呼ばれて顔をあげたら、先生の胸に引き寄せられた。びっくりしたけど、嬉しくてそのままでいた。

「あの…今夜も…来ていいですか?」

スウェットの胸の中で問いかけると、先生はその腕に力を込めた後、太く節くれだった指で私の顎を上げる。

条件反射で目を閉じたら、深いキスをくれて唇が離れる。

「来たい時に来い。待ってるよ」

先生は、笑って玄関のドアを開けた。



台風一過。
風はまだ少し強いけど、空は晴れ渡り、白い雲が次から次へと流れていく。

車の窓から見える空は、晴天そのもの。
私は、隣で運転する先生に呼びかけてみた。

「さとし…さん」
「え?」
「名前で呼びたいなと思って…ダメですか?」

横顔に承諾を乞うと、先生がふっと微笑む。

「いいよ。随分前から、もう生徒じゃないしな」
「じゃあ…何ですか?」

ドキドキしながら答えを待つ確信犯的な私に、先生は苦笑していた。

「わからんな。何だろうな」
「えーっ。彼女ですよね?……結婚前提の……」

自分で言いながら、頬が赤くなった。
先生はそんな私を見て、少しだけ神妙に、でも優しげに笑う。


結婚が一筋縄ではいかないかもしれないことも、先生が心に傷を負っていることも、わかっているつもりだ。

でも、先生には、せめて私といる時ぐらいは笑っていてほしくて、努めて明るく振る舞う。


「何でこんなオヤジがいいんだか、理解に苦しむ」

と先生は自虐する。

「私もです。何でこんなに好きなのかわかんないですよ」
「フッ」

煌めく朝陽と、先生の笑顔が眩しい。
私には、その光景がこれからを表しているようにしか思えなかった。

幸せになってもいいのかな、なんて、もう言わせない。

きっと眩しいぐらい明るい未来が待っている。
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