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17歳の寄り道
第38章 【千晴編】スタートライン
スティックのりのふたが、カツーンと床に転がった。
コロコロ…と足に当たり、私は体を折り曲げて足元のふたを取り、テーブルに置く。
碧が、ハサミとのりを両手に持って、目を真ん丸にして口を開けている。
「……藤田先生って、藤田先生だよね…!?ちょっと…ちょっと待って。整理させて」
碧が驚くのも無理はない。
ずーっと黙ってたんだもん。
片思いしてることだって、誰にも言わなかった。
私は碧の右手に持っているのりを取り、ふたをして返した。
「つ、つきあってるって……想像つかなくて。だって、藤田先生って…!一緒に住んでるって、…ええ!?先生今おいくつ?」
碧の驚きっぷりに、つい笑ってしまう。
オッサンと言いたいけど、言えないのが伝わってきて苦笑。
「びっくりした?」
「そりゃもう!なんで!?いつから好きだったの?全然気付かなかった!しかも結婚って…!」
「あ、まだそれはわかんない。先生も、ちょっと盛り上がって言っちゃっただけかもしれないし」
先生の言う事全部鵜呑みにできるほど、私はピュアな女でもない。
本心は、先生が本気ならいつでも結婚したいけど、今のところは待つつもり…。
「……藤田さん、は……?」
碧も、元コンビニバイトの藤田さんが先生の息子だと言う事は、知っていたようだった。
「本当に一緒にい続けることになれば、それぞれの家族にもいずれ話すんだろうと思うけどね。……先のことはわからないけど、今は幸せ。すごく」
まだ、はじまったばかり。
二人でいるだけで幸せだ。
「…それならよかった。千晴が幸せなら」
私の言葉に頷く様にして、ようやく碧の手が動き出した。
うさぎやくまの動物、りんごやいちごのくだものに、ハートや音符や雪の結晶と、紙でできた可愛らしいモチーフがテーブルに並べられていて、華奢な薬指には、プラチナのリングが光っている。
コロコロ…と足に当たり、私は体を折り曲げて足元のふたを取り、テーブルに置く。
碧が、ハサミとのりを両手に持って、目を真ん丸にして口を開けている。
「……藤田先生って、藤田先生だよね…!?ちょっと…ちょっと待って。整理させて」
碧が驚くのも無理はない。
ずーっと黙ってたんだもん。
片思いしてることだって、誰にも言わなかった。
私は碧の右手に持っているのりを取り、ふたをして返した。
「つ、つきあってるって……想像つかなくて。だって、藤田先生って…!一緒に住んでるって、…ええ!?先生今おいくつ?」
碧の驚きっぷりに、つい笑ってしまう。
オッサンと言いたいけど、言えないのが伝わってきて苦笑。
「びっくりした?」
「そりゃもう!なんで!?いつから好きだったの?全然気付かなかった!しかも結婚って…!」
「あ、まだそれはわかんない。先生も、ちょっと盛り上がって言っちゃっただけかもしれないし」
先生の言う事全部鵜呑みにできるほど、私はピュアな女でもない。
本心は、先生が本気ならいつでも結婚したいけど、今のところは待つつもり…。
「……藤田さん、は……?」
碧も、元コンビニバイトの藤田さんが先生の息子だと言う事は、知っていたようだった。
「本当に一緒にい続けることになれば、それぞれの家族にもいずれ話すんだろうと思うけどね。……先のことはわからないけど、今は幸せ。すごく」
まだ、はじまったばかり。
二人でいるだけで幸せだ。
「…それならよかった。千晴が幸せなら」
私の言葉に頷く様にして、ようやく碧の手が動き出した。
うさぎやくまの動物、りんごやいちごのくだものに、ハートや音符や雪の結晶と、紙でできた可愛らしいモチーフがテーブルに並べられていて、華奢な薬指には、プラチナのリングが光っている。