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17歳の寄り道
第38章 【千晴編】スタートライン
「ごちそうさまでした…」
というと、男の人は止めてあるバイクからメットを出し私に頭を下げた。
この人が、女将さんの息子さんかな?
フルフェイスのメットで、完全に顔がわからない。
その人はバイクに跨りエンジンをかけると、また私にぺこりと頭を下げ、バス停方面の道を下っていった。
私も、バス停方面に歩き出そうとして………立ち止まった。
やっぱり、帰れない。
一回顔を見てから、帰ろう。
バッグからスマホを出してみたら、先生からのメールが1件入っていた。
『もう家に着いたのか?』という一文。
いろんなものを背負って、追いかけられない代わりに、こうしてメールをくれているのかな。
……私のこと、逃したくないと思ってる?
私は、先生のマンション方面に歩き出しながら、スマホを耳に当てた。
先生はすぐに電話に出てくれた。
「まだ、バスには乗ってません。先生の家に戻ってもいいですか?」
そう言うと、先生の声色が変わった。
『どこにいたんだ、こんな夜中に』
「夜中ってまだ10時ですよ」
『夜は夜だろうが!』
ヤバい、さらに怒らせちゃった…!!
ヒールが折れそうなほどカツカツ走ってエントランスに着いたら、エレベーターから先生が下りてくるのが見えた。
私を見つけると、駆け寄ってきて自動ドアが開く。
「……心配させるな……!」
先生は焦ったように顔を歪ませ、私の腕を引っ張り、そこに留まるエレベーターへと進んだ。
「哲さん、ごめんなさい」
「……無事ならいい」
エレベーターに乗っても、先生はこっちを向いてくれない。
「哲さん…」
最上階のフロアに着き、手を引かれながら、廊下を歩く。
先生は何も答えてくれない。
ドアを開けて引き入れられ、そこでようやく先生が振り向いた。
というと、男の人は止めてあるバイクからメットを出し私に頭を下げた。
この人が、女将さんの息子さんかな?
フルフェイスのメットで、完全に顔がわからない。
その人はバイクに跨りエンジンをかけると、また私にぺこりと頭を下げ、バス停方面の道を下っていった。
私も、バス停方面に歩き出そうとして………立ち止まった。
やっぱり、帰れない。
一回顔を見てから、帰ろう。
バッグからスマホを出してみたら、先生からのメールが1件入っていた。
『もう家に着いたのか?』という一文。
いろんなものを背負って、追いかけられない代わりに、こうしてメールをくれているのかな。
……私のこと、逃したくないと思ってる?
私は、先生のマンション方面に歩き出しながら、スマホを耳に当てた。
先生はすぐに電話に出てくれた。
「まだ、バスには乗ってません。先生の家に戻ってもいいですか?」
そう言うと、先生の声色が変わった。
『どこにいたんだ、こんな夜中に』
「夜中ってまだ10時ですよ」
『夜は夜だろうが!』
ヤバい、さらに怒らせちゃった…!!
ヒールが折れそうなほどカツカツ走ってエントランスに着いたら、エレベーターから先生が下りてくるのが見えた。
私を見つけると、駆け寄ってきて自動ドアが開く。
「……心配させるな……!」
先生は焦ったように顔を歪ませ、私の腕を引っ張り、そこに留まるエレベーターへと進んだ。
「哲さん、ごめんなさい」
「……無事ならいい」
エレベーターに乗っても、先生はこっちを向いてくれない。
「哲さん…」
最上階のフロアに着き、手を引かれながら、廊下を歩く。
先生は何も答えてくれない。
ドアを開けて引き入れられ、そこでようやく先生が振り向いた。