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17歳の寄り道
第3章 【碧編】少女の殻を脱いで
ゾワァと背筋が凍りついた。
やっぱり、義父との違和感は気のせいじゃなかった。
後で洗おうと思っていた下着を見られている。私のお風呂中に洗面所に入っていたのだ。

恐ろしくて、義父から後ずさりすると、「親心だよ」と笑っていた。

そんな親心いらない。そんな父親いらないよ。

義父は微笑みながらテーブルに用紙を置き、さらさらとサインした。

「判子はどこだったかな、お母さんに聞かないと…」
「書いてくれてありがと、私またお母さんに頼むから」

すぐに用紙を返してもらい、「おやすみっ」と自分の部屋に急いで戻った。私の部屋の隣は寝室で、義父と母と凛太が寝る場所だ。

私が寝ている間に、義父が部屋に来たらどうしようと思い、鍵をしめる。

今回は、考え過ぎだと思えなかった。
親心でショーツの汚れを見る?そんな父親聞いたことがない――。


翌朝は早めに家を出た。
義父の顔など見たくないし、幸せそうな母の顔も見たくない。
自転車を漕ぎ、通行量の多い道を風を切って走ってゆく。

私、寝不足で酷い顔してないかな…

例の公園の到着すると、黒い自転車が置かれてあるのが見え、その近くに男子高校生がいた。
……浅野君だ。

浅野君の前を通り過ぎて黒い自転車の隣に自分の自転車をとめた。
彼はあくびをしながら、足を組みかえて石のベンチに座っている。
鍵を取って、そっちを向いたら、浅野君は私に手招きをした。

「…なに」

警戒しながら近づいたら、隣に座れと指示された。
仕方なく言っている通りにしたら、彼が私の手を握った。

「昨日、急に帰んなよ」
「だって…あんな可愛い子…彼女でしょっ」

嫉妬丸出しの声で反論してしまい、浅野君は面食らっていた。

「妬いてんのか?」
図星にかぁっと顔が赤くなり俯く。繋いでる手に彼の力が籠る。

「正直に言うと…元カノ。今は小林先輩と付き合ってるよ」
「え」

あの、3年生と?

「あいつあんなんだし、フラフラしてるから…でも、碧が嫌なら切るから」
「………」

詳しくは聞けなかったけど。
結愛ちゃんは元カノで、今も交流があって、たまにエッチもしたりする仲?
そして、小林先輩とつきあってる…?

そんなフリーダムな関係ってあるの?私が言うのもあれだけど、節操なさすぎない?
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