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17歳の寄り道
第39章 【千晴編】夢のはじまり
仕事から帰って、父も帰宅した夕食時。
「妊娠してるかもしれない」と両親に話した。
父も母も、先生と同じような難しい顔をしながら、私の話を聞いていた。
「仕事はどうするの?春から始めたばっかりなのに、職場に迷惑かけることもわかってる?無責任よ。千晴も哲さんも。まさか、『産むな』なんて言われてないよね?」
母は、この前よりも冷たい表情をしている。
「それは、ない…」
「それなら、すぐに籍入れなさい。あなたたちのためじゃないわ。赤ちゃんのためよ」
恋に浮かれていたのが、冷水をかけられたようにさめてゆく。
もう25なのに。
こんなこと言わせて、こんな顔されて。
親不孝者な上に、職場にも迷惑かけることになる。
妊娠も結婚も、喜ばしい話のはずなのに――。
「哲さん、挨拶に来るんでしょ?千晴の話だけじゃよくわからないし。全く……」
母に溜息をつかれて、父が取りなした。
「とりあえず、哲さんに来てもらって。できるだけすぐに」と、父が言う。
この前、父は庇ってくれたのに……。
父の悲しそうな顔を見ていると、裏切ってしまったような気分になった。
こくりと頷き先生に連絡すると、土日ではなく今日の帰りに寄ってくれることになった。
そして――その晩。
リビングに飾ってあった花瓶が、ガシャンと割れた。
「人の娘に手ェ出して妊娠させて!!あんたそれでも教師かァァ!」
反対派だった母が逆に、父を止めにかかっている。
興奮しきった父は、母を振りほどいて、先生に掴みかかった。
「パパ、落ち着いて」
「本当に、仰る通りだと思っています。反論はしません。申し訳ありません。私の責任です」
先生が床に膝を付いて頭を下げる。私が隣に駆け寄ろうとすると、母が止めた。
「澄ました顔して、本気で申し訳ないと思ってんのか!!!」
「パパ、それぐらいにして。千晴の体に障るから」
「黙っていられるか!!こうなれば話は別だ!!どこが大事にしてるっていうんだ!!!」
テレビのリモコンが飛び、衝撃音が鳴る。
リモコンは分解して電池が飛び出し、リビングのドアがへこんでいて、青ざめた。
「妊娠してるかもしれない」と両親に話した。
父も母も、先生と同じような難しい顔をしながら、私の話を聞いていた。
「仕事はどうするの?春から始めたばっかりなのに、職場に迷惑かけることもわかってる?無責任よ。千晴も哲さんも。まさか、『産むな』なんて言われてないよね?」
母は、この前よりも冷たい表情をしている。
「それは、ない…」
「それなら、すぐに籍入れなさい。あなたたちのためじゃないわ。赤ちゃんのためよ」
恋に浮かれていたのが、冷水をかけられたようにさめてゆく。
もう25なのに。
こんなこと言わせて、こんな顔されて。
親不孝者な上に、職場にも迷惑かけることになる。
妊娠も結婚も、喜ばしい話のはずなのに――。
「哲さん、挨拶に来るんでしょ?千晴の話だけじゃよくわからないし。全く……」
母に溜息をつかれて、父が取りなした。
「とりあえず、哲さんに来てもらって。できるだけすぐに」と、父が言う。
この前、父は庇ってくれたのに……。
父の悲しそうな顔を見ていると、裏切ってしまったような気分になった。
こくりと頷き先生に連絡すると、土日ではなく今日の帰りに寄ってくれることになった。
そして――その晩。
リビングに飾ってあった花瓶が、ガシャンと割れた。
「人の娘に手ェ出して妊娠させて!!あんたそれでも教師かァァ!」
反対派だった母が逆に、父を止めにかかっている。
興奮しきった父は、母を振りほどいて、先生に掴みかかった。
「パパ、落ち着いて」
「本当に、仰る通りだと思っています。反論はしません。申し訳ありません。私の責任です」
先生が床に膝を付いて頭を下げる。私が隣に駆け寄ろうとすると、母が止めた。
「澄ました顔して、本気で申し訳ないと思ってんのか!!!」
「パパ、それぐらいにして。千晴の体に障るから」
「黙っていられるか!!こうなれば話は別だ!!どこが大事にしてるっていうんだ!!!」
テレビのリモコンが飛び、衝撃音が鳴る。
リモコンは分解して電池が飛び出し、リビングのドアがへこんでいて、青ざめた。