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17歳の寄り道
第39章 【千晴編】夢のはじまり
両親は玄関で見送りを終え、私は先生が車に乗るのを見送るため外に出る。
「哲さん、ごめんなさい」
「何がだ?」
先生は何のことだか、といった風だ。
「パパが……」と言うと、「ああ」とドアを開け、運転席に座る。
「謝るのは俺の方なんだよ。お父さんが悪いんじゃない」
先生は私をゆっくり引き寄せて、助手席に座らせた。
「明日、病院に行こう。朝迎えにくるよ」
「……惇君には話したんですか?」
「ああ。軽くは…。今晩電話で話すつもりだ」
チク、と胸が痛む。
惇君は、現在29歳。
再婚した奥さんには、子供はいない。
惇君はどう思うんだろう……。
自分より年下の女と再婚しようとしている父を。
「惇のことまで心配しなくていい。それは、俺の問題だから」
「そういうわけには…。だって、惇君の兄弟になるんですよ…」
先生は何も答えずに、明日の朝来ることを約束して帰って行った。
惇君と先生の関係がわからないだけに、想像がつかない。
できれば祝福してほしいなんて、虫が良すぎるよね…。
家に入って間も無く、ガレージに白い車が入ってきた。兄の車だ。
父も母も憔悴していたが、兄と彼女を出迎えにみんなで出た。
「遅くなってごめん!道混んでて、夜中になっちゃったよ〜!でもま、明日土曜だし」
兄は満面の笑みだが、何だか顔が…。
「博貴…何そのアザ?」と母が近寄る。
「いや~、昨日ちょっと彩のお義父さんに一発ガツンと……」
「え?」と、父も母も私も固まると、兄は頭を掻きながら、後ろにいる可愛らしい彼女に手招きをする。
「順番が逆になっちゃって…。元々、結婚は考えてたんだけど、この土日に籍入れるつもりで戻ってきた」
「初めまして…」
奥ゆかしい感じの女子が、兄の後ろで頭を下げる。“彩ちゃん”だ。
よく見ると、抱えているバッグには、マタニティマークがついている。
全員、何とも言えない空気になり、父が力なく「………おめでと。」と言った。
「哲さん、ごめんなさい」
「何がだ?」
先生は何のことだか、といった風だ。
「パパが……」と言うと、「ああ」とドアを開け、運転席に座る。
「謝るのは俺の方なんだよ。お父さんが悪いんじゃない」
先生は私をゆっくり引き寄せて、助手席に座らせた。
「明日、病院に行こう。朝迎えにくるよ」
「……惇君には話したんですか?」
「ああ。軽くは…。今晩電話で話すつもりだ」
チク、と胸が痛む。
惇君は、現在29歳。
再婚した奥さんには、子供はいない。
惇君はどう思うんだろう……。
自分より年下の女と再婚しようとしている父を。
「惇のことまで心配しなくていい。それは、俺の問題だから」
「そういうわけには…。だって、惇君の兄弟になるんですよ…」
先生は何も答えずに、明日の朝来ることを約束して帰って行った。
惇君と先生の関係がわからないだけに、想像がつかない。
できれば祝福してほしいなんて、虫が良すぎるよね…。
家に入って間も無く、ガレージに白い車が入ってきた。兄の車だ。
父も母も憔悴していたが、兄と彼女を出迎えにみんなで出た。
「遅くなってごめん!道混んでて、夜中になっちゃったよ〜!でもま、明日土曜だし」
兄は満面の笑みだが、何だか顔が…。
「博貴…何そのアザ?」と母が近寄る。
「いや~、昨日ちょっと彩のお義父さんに一発ガツンと……」
「え?」と、父も母も私も固まると、兄は頭を掻きながら、後ろにいる可愛らしい彼女に手招きをする。
「順番が逆になっちゃって…。元々、結婚は考えてたんだけど、この土日に籍入れるつもりで戻ってきた」
「初めまして…」
奥ゆかしい感じの女子が、兄の後ろで頭を下げる。“彩ちゃん”だ。
よく見ると、抱えているバッグには、マタニティマークがついている。
全員、何とも言えない空気になり、父が力なく「………おめでと。」と言った。