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17歳の寄り道
第3章 【碧編】少女の殻を脱いで
予鈴が鳴り、そろそろ教室に行こうと立ちあがった。
その前にトイレ行かなきゃ…と思いだした。

「どうしたの?大丈夫?」

内股で歩く私に、東野君が心配そうにしていた。

「ん。大丈夫だよ」
「……白川…やっぱ浅野とつき合ってんの?」

小さく拳を握り、切なげに聞いてくる東野君。

処女を捧げたが、つきあってはない…。
そんな言葉は一つもない。好きだとか、そんなことも。

私は、きっと彼を好きだけど。


「つきあってないよ」
と返事すると、東野君はそれでもまだ不安げに口を開く。

「……こんなこというのもなんだけど、あいつとは深く関わらない方がいいよ。いい噂聞かないし…」

言いづらそうに忠告する東野君。

ここ数日の浅野君しか知らないけれど、優しい所も危険な面もあるのは重々感じている。
悪い噂はほぼ真実なのだと思うが、感情の誤作動なのか、それでも嫌いにはなれない。

「私、男の子見る目ないのかも」
へへっと笑ったら、東野君も苦笑いした。


教室に着く前にトイレに寄る。
浅野君の言うとおり、もう血は出ていなくて、快感の証拠である蜜だけがショーツを汚していた。

丁寧に拭いてトイレを出たら、村上先生が歩いてきていた。

「教室入りなさいよ…チャイム鳴ったよ」
と、朝から低血圧っぽい先生にドアを開けてもらい、教室に入った。

そうだ…天文部の入部届出さなくちゃ。

浅野君が私にしたことは、本命の扱いだとは全く思えないが、一緒にいたい気持ちを優先したい。

自分でもバカだと思うが、自分の心に正直でいたいのだ。
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