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17歳の寄り道
第42章 【東野編】グロウアップ
「俺で役に立つなら……」

椅子を出し、先にチーフに掛けてもらった。
入社4年目。さすがにレディファーストが染みついている。

「ありがとうございます」とチーフは微笑み、手元の資料を取り出して、弁当を開け始めた。
俺も隣に座って、パンの袋を開ける。

「チーフは弁当派だったんですね」

「そうですね。最近は自炊もできてないので、体に良さそうな和食に惹かれます」

へえ。自炊するんだ。
そりゃ、美容に気を使う人ならそうかもしれないな。
こうして話していると、普通に同世代のように思えてくる。

チーフは箸を忙しなく動かし、手元の資料をじっと見入っている。

長いまつげ、形のいいアーモンド形の瞳に、くっきり二重。
きめの整った肌。
色素が少し薄いのがまた、フランス人形のようだ。

俺がパンを食い終わったころ、チーフも食べ終えて、ロープレが始まった。

「こちら、○日に発売になる○○ローションですが……」

始まった途端にチーフの顔つきが変わり、プロになる。
教育課の先輩から、もっと品のある声を出しなさいと言われたらしいが、聞き取りやすいし淀みがなく、これはこれでいい気がする。
新商品については俺も勉強会に出ていたので、内容のブラッシュアップに一役買えた。

小城さんがチーフを絶賛するのもわかる気がした。


ロープレが終わり、廊下に人通りが増えている。
受講スタッフたちがランチから帰ってきたようだ。

「あ、みなさんもう帰ってきてますね。これで午後からがんばれそうです」

「お役に立てて良かったですよ」

そういうと、チーフは屈託なく笑った。

「本社に来て、気を緩められる場所が家しかなかったので、ありがとうございます」

ギィと音を立てて椅子から立ち上がるチーフ。
教育課に来てから、ずっと張りつめて過ごしてるのかなと思うと、何か力になりたくなった。

何かないか。
浅野チーフの役に立てること――。

「……チーフ、俺と飲みに行きません?」

休憩ルームのドアノブに手を掛けていたチーフが振り向いた。
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