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17歳の寄り道
第42章 【東野編】グロウアップ
軽く誘ってしまった。
チーフに言い寄る男なんて俺の知らないところでもたくさんいるんだろう。でも、なんか放っておけない……。
しかし、チーフは年相応の顔から、仕事の顔に戻り話し出す。
「週末……社内の歓迎会がありますよね?」
ん?
想像のつかない返事に思わず固まる。
確かに、営業課、教育課、人事課合同の歓迎会がある。
「そこで、一緒に飲めますよね?」
「……あ、そっすね」
「じゃあ……お昼ご飯も、ロープレも、ありがとうございました」
チーフは可憐にお辞儀をすると、足早に行ってしまった。
断られた……?
がやがやと帰ってきたさっきの中堅スタッフが、呆然としている俺を見つける。
「東野君ー!社内で食べてたのー?じゃあ私も社内にしたらよかったー」
「ははは」
愛想笑いをするが、心ここにあらず。
くそ……!
飲みになんて誘わなきゃよかった……!
は?何勘違いしてんのこいつ?とでも思ったかもしれない。
個人的な誘いには乗らないと言っておきながら、自分は個人的に誘ってるというダブスタぶり。
違うんだ、けして下心ではない。
なんか放っておけなくさせられたんだよ!
心中では恥ずかしさにのたうちまわりながら、笑顔をキープする。
「ね、東野君のタイプってどんな人?」
「……別にないですよ。そろそろ午後始まりますよ?」
「清楚な子だよね?入社した頃言ってなかった?」と別のスタッフがからかうように言った。
「あー……まあ、そうですね……」
清楚な。
昔はそうだったけど、これだけの女性を目の当たりにすると、真の清楚などあり得ないのが見えてきていて。
どんな女性も、いろいろあるんだろな、と思うようになってきた。
悪い意味ではない。みんな、ひたむきに生きているのだ。もちろん俺たち、男も。
「あ、浅野さん」というスタッフの声で、俺の背後にチーフがいることに気づく。
チーフは「午後からもよろしくお願いいたします」と笑顔だった。
「はーい」
「寝ないようにしなきゃー」
賑やかに研修ルームに入っていくチーフたちの後ろ姿を見送り、俺は営業デスクに戻った。
チーフに言い寄る男なんて俺の知らないところでもたくさんいるんだろう。でも、なんか放っておけない……。
しかし、チーフは年相応の顔から、仕事の顔に戻り話し出す。
「週末……社内の歓迎会がありますよね?」
ん?
想像のつかない返事に思わず固まる。
確かに、営業課、教育課、人事課合同の歓迎会がある。
「そこで、一緒に飲めますよね?」
「……あ、そっすね」
「じゃあ……お昼ご飯も、ロープレも、ありがとうございました」
チーフは可憐にお辞儀をすると、足早に行ってしまった。
断られた……?
がやがやと帰ってきたさっきの中堅スタッフが、呆然としている俺を見つける。
「東野君ー!社内で食べてたのー?じゃあ私も社内にしたらよかったー」
「ははは」
愛想笑いをするが、心ここにあらず。
くそ……!
飲みになんて誘わなきゃよかった……!
は?何勘違いしてんのこいつ?とでも思ったかもしれない。
個人的な誘いには乗らないと言っておきながら、自分は個人的に誘ってるというダブスタぶり。
違うんだ、けして下心ではない。
なんか放っておけなくさせられたんだよ!
心中では恥ずかしさにのたうちまわりながら、笑顔をキープする。
「ね、東野君のタイプってどんな人?」
「……別にないですよ。そろそろ午後始まりますよ?」
「清楚な子だよね?入社した頃言ってなかった?」と別のスタッフがからかうように言った。
「あー……まあ、そうですね……」
清楚な。
昔はそうだったけど、これだけの女性を目の当たりにすると、真の清楚などあり得ないのが見えてきていて。
どんな女性も、いろいろあるんだろな、と思うようになってきた。
悪い意味ではない。みんな、ひたむきに生きているのだ。もちろん俺たち、男も。
「あ、浅野さん」というスタッフの声で、俺の背後にチーフがいることに気づく。
チーフは「午後からもよろしくお願いいたします」と笑顔だった。
「はーい」
「寝ないようにしなきゃー」
賑やかに研修ルームに入っていくチーフたちの後ろ姿を見送り、俺は営業デスクに戻った。