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17歳の寄り道
第42章 【東野編】グロウアップ
失態に落ち込む暇もなく、夜はとある百貨店セクションのミーティングに参加。

BAスタッフとのミーティングは大体が閉店後、飯を食いながらになる。

この百貨店は規模が大きく、うちのスタッフも多いので、店も予約を取って臨む。
目標を達成するには〜という堅い話もし、辞めたそうな顔をしている新顔スタッフには声をかけたり。

そのあとは、そのマネージャーとチーフと飲みにいくのが恒例。
心を開いてもらわないことには仕事にならないので、こういうコミュニケーションは欠かせない。

……のだが。


「教育課に来た新しい子、なんだっけ。使い物になってる?」

「評判はいいですよ」
と答えたが、古株からの評価は分かれている。

例外もあるが、うちの会社でトップに立つ人材は負けず嫌いな性格の人が多い。そして、なぜか大抵ディスりから始まる。
ある種のマウンティングなんだろう。

今まで、誰かの陰口もやんわり受け流して来たが。
チーフのことを悪く言われるのは、嫌だな。
努力をする姿も見てしまったから。


その日の晩は、チーフのことが頭から離れなかった。

今、家でゆっくりしてるかな。
休めていたらいいなと思いながら、俺も眠りについた。


そして、歓迎会。
予想通り参加人数が多く、チーフと接触を持とうとしたらかなり不自然に行かないといけない……。
無理だな。


「東野君!何ぼーっとしてんの!注ぎなさい」
「は、はい」

館課長ー!!
ビールを注げと言われ、慌ててお酌をした。

「あなたはモテなさそうね〜」と言われてたじろぐ。

「モテてますけど、今は恋愛には興味ないようですね」

小城さんに笑いながらフォローされ、館課長がふふふと笑った。
笑ったりするんだな。接客以外でも。

「浅野!こちらいらっしゃい」

館課長が、端っこで囲まれて飲んでいるチーフを指名した。

「課長、お呼びでしょうか」

「今度のサロン、東野君もメンバー入っているでしょ。顔合わせておきなさいね」

俺とチーフには面識がないと思ったのだろう。
館課長はさっきチーフがいた席へ立ち、チーフは俺の隣に座った。
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