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17歳の寄り道
第42章 【東野編】グロウアップ
立場上、あと社風上、誰かに見つかるとややこしい話になるので駅のスタバは使えない。
「チーフ、家どこですか?」
「◯◯だけど…」
「あ、俺んちの近所なんですね。じゃあ、そこまで戻りますか」
俺の家とチーフの家と、一駅違いだということがわかった。
この辺りでウロウロするよりは、戻った方が見つかる確率は下がるだろう。
女性はみんな、メーカーの制服を着て通勤するので、わかる人にはわかってしまう。
引き止めた改札に二人で入り、満員電車にも無事乗れた。
「同じ沿線なのに、電車で会ったことないですよね」
「……私は見かけたことありますよ。何度か」
「じゃあ声かけてくれたらよかったのに」と言ったら返事はなく、チーフの駅に着いた。
改札を出たらすぐにコーヒーショップがあったが、テラス席しか空いていなかった。
秋真っ只中だが、夜は冷える。
彼女に尋ねると、テラス席でもいいと答えたので、あったかいのを頼み、膝掛けも借りて席に着いた。
座って待っていたチーフの膝にブランケットを掛ける。
「…ありがと」
「いえ。俺が誘ったんで。どうぞ」
マグに入っているクリームたっぷりのハニーミルクラテを彼女に差し出す。
はちみつもミルクも、ふわふわで甘そうなこのラテが、彼女にとても似合っている。
「おいしい」と呟くチーフに満足して、俺もコーヒーを飲む。
チーフはきれいな瞳を俺に向けながら、湯気の立つマグを両手で持ち話し始めた。
「東野さん、煙草は吸わないんですね」
「そうですね。昔から…。スポーツしてたし」
「野球ですか?」
「いや、サッカーですよ。ずっとGKでした」
「サッカー…」
チーフはマグに口をつけるも、ふーふーと冷ましながらなかなか飲まない。
「猫舌なんですね」と言ったら、また顔が赤くなった。
「何でわかるの……じゃなくて、私、今はもうチーフじゃないし!トレーナーだし!」
タメ口になってムキになってるのが、かわいい。
「じゃあ、なんて呼べばいいですか」
「『浅野さん』でいいじゃない」
また俯いてしまった彼女に、もっと近づきたくなる。
「チーフ、家どこですか?」
「◯◯だけど…」
「あ、俺んちの近所なんですね。じゃあ、そこまで戻りますか」
俺の家とチーフの家と、一駅違いだということがわかった。
この辺りでウロウロするよりは、戻った方が見つかる確率は下がるだろう。
女性はみんな、メーカーの制服を着て通勤するので、わかる人にはわかってしまう。
引き止めた改札に二人で入り、満員電車にも無事乗れた。
「同じ沿線なのに、電車で会ったことないですよね」
「……私は見かけたことありますよ。何度か」
「じゃあ声かけてくれたらよかったのに」と言ったら返事はなく、チーフの駅に着いた。
改札を出たらすぐにコーヒーショップがあったが、テラス席しか空いていなかった。
秋真っ只中だが、夜は冷える。
彼女に尋ねると、テラス席でもいいと答えたので、あったかいのを頼み、膝掛けも借りて席に着いた。
座って待っていたチーフの膝にブランケットを掛ける。
「…ありがと」
「いえ。俺が誘ったんで。どうぞ」
マグに入っているクリームたっぷりのハニーミルクラテを彼女に差し出す。
はちみつもミルクも、ふわふわで甘そうなこのラテが、彼女にとても似合っている。
「おいしい」と呟くチーフに満足して、俺もコーヒーを飲む。
チーフはきれいな瞳を俺に向けながら、湯気の立つマグを両手で持ち話し始めた。
「東野さん、煙草は吸わないんですね」
「そうですね。昔から…。スポーツしてたし」
「野球ですか?」
「いや、サッカーですよ。ずっとGKでした」
「サッカー…」
チーフはマグに口をつけるも、ふーふーと冷ましながらなかなか飲まない。
「猫舌なんですね」と言ったら、また顔が赤くなった。
「何でわかるの……じゃなくて、私、今はもうチーフじゃないし!トレーナーだし!」
タメ口になってムキになってるのが、かわいい。
「じゃあ、なんて呼べばいいですか」
「『浅野さん』でいいじゃない」
また俯いてしまった彼女に、もっと近づきたくなる。